先日、YouTubeでオー・へンリー作『賢者の贈り物』の朗読を聴きました。
若く貧しい夫婦がクリスマスに贈り物を贈り合う、という内容の短編小説ですが、タイトルから結びの文章まで、ほんとうに名作だとあらためて感じました。
お互いにプレゼントを贈ることは、誕生日やバレンタインなどでもしますが、毎年同じ日に交換するのはクリスマスならでは。だからこそ、たくさんの物語が生まれるのだと思います。
私は、海外のミステリードラマが好きなのですが、クリスマスの時期に放映されたエピソードは、贈り物をモチーフにした心あたたまるお話や「神回」が多いです。
もうずっと、クリスマスとは無関係に過ごしていますが、今年は、銀座のデパートの正面入口ウインドウで、サンタクロースねぶたがお出迎えしてくれると聞き、写真を撮ってきました。
史上初の女性ねぶた師、北村麻子さんの作品。
独特の浮遊感と躍動感がすばらしかったです☆彡゜
そして、ドイツ発祥のクリスマス定番パン菓子「シュトレン」。
クリスマスの約4週間前から毎日少しずつスライスして味わう、というのが伝統的な食べ方で、日持ちするよう、ラム酒で漬け込んだドライフルーツやナッツが、バターたっぷりの生地にぎっしりと練り込まれているそうです。
近所にドイツパンのお店があり、今年はシュトレンを買ってみようと思って2度ほど行きました。けれど、2度とも早仕舞いの日に当たって入店できず、いったんはあきらめたのですが…。
クリスマスイブにもなって再び欲しくなり、まだどこかに売っているところがないかと調べて、ようやく「シュトレン・フォション(ミニ)」をゲットすることができました。
ピンク色のフランボワーズシュガーが特徴的です。
ワインにも合う美味しさで、とても幸せな気持ちになりました。
さて、クリスマス当日はというと、『仏教講座』を受講しに行きました。
仏教を、宗教や学問としてではなく、生き方のヒントとして学ぶ講座です。
テキストは原始仏典からの引用と解釈。原始仏典とは、比較的成立が古くブッダの教えに近いと考えられている経典です。
過去を想うな。捨てられて戻ってこないものだから。
未来を願うな。願ったからといってその通りにはやってこないから。
今のありのままを、瞬間瞬間によく観察して、動揺することのない境地に立て。
今日なすべきことを心尽くしてなせ。あの死(失うこと)の大軍にいずれは直面せざるをえないから。
~原始仏典『マッジマ・ニカーヤ』より~
軟弱者の胸に突き刺さる厳しいお言葉ですが、ここからイメージトレーニングについてのお話になりました。
イメージトレーニングというと、「なりたい自分」を想像することが一般的だと思います。けれど、理想の自分と今の自分とのギャップを感じ、落ち込んだり焦ったりで逆効果になることも少なくありません。
その場合は、ゴールよりプロセス、目標に向かって「なすべきことをやっている自分」をイメージするほうが効果的(=正しい)とのこと。
なるほど、これはすぐに使えそうな方法です。
また、「筏の譬え(いかだのたとえ)」も印象的で深いお話でした。
かつてひとりの男が長い旅を続けていて、川に出くわした。「川のこちら岸は歩くのに困難であり危険である。だが向こう岸は歩きやすく安全なようだ。さてどうやって流れを横切ろうか?」
彼は枝と葦づるを集めて筏をしつらえた。その筏で無事川を渡ったあとこう考えた。「この筏は川を渡るのにとても役立ってくれた。だから土手に放って腐らせるのはもったいない。担いで持っていくことにしよう」
そうして彼は本来必要のない重荷をみずから担ぐことになった。この男は賢いといえるだろうか?
この譬えは、善き物事でさえ必要でなくなれば手放さねばならぬことを示している。悪いことならなおさらである。(目的に対して)役に立たないもの、必要のないものは棄てなければならぬ」
最初、断捨離的なお話かな?と思ったのですが、この「筏」はブッダ自身が説く教えのことだと聞き、びっくりです。
目的を達成したら、もう自分の教えは必要ないので「手放さねばならぬ」と、開祖自らが説くというのは、何だかすごいことだなと思いました。
2021年も、あと数日になりました。
いろいろなことがありましたが、今年もブログを続けてこられて嬉しいです。
どうぞよいお年をお迎えください。