寅年ということで――。
以前、ネットコラムで紹介されていた「虎とイチゴ」という仏教的な説話が心に残り、出典はわからないのですが、検索している途中でおもしろいマンガを見つけました。
『マンガ 禅の思想』講談社+α文庫/1998年6月
蔡 志忠(さいしちゅう)・作画 和田武司・訳 野末陳平・監修
ある男が荒野で虎に襲われました。
彼は切り立った崖の下まで逃げ、垂れ下がっている藤づるに飛びつきました。
見ると、虎は下で牙を剥き、ウオッと吼えています……。
上を向くと、そこでは2匹のネズミが藤づるをかじっています。
藤づるは切れそう、大ピンチ……。
ふと男は、みごとに実った野イチゴを見つけました。
「……あっ、あんなところに野イチゴが」
片手を伸ばして、野イチゴを摘み、パクっと食べます。
「おいしい……」
これでおしまいです。
マンガのタイトルは『過去・現在・未来』となっていて、
「過去を思わず、未来を思わず、今の一瞬を大事にし、縁に随うことが幸福を生むのさ。」
というコメントが添えられています。
「禅的」な深い解釈ですが、千里の道も一歩から。
私はもっと日常に引き寄せてみました。
後悔や心配で頭がいっぱいの状況でも、ちょっとした何か、たとえばコンビニスイーツの新作や1杯のコーヒーなどで、小さな幸せを感じることがあります。
もちろん、それは一時で、過ぎてしまえば鬱屈に戻ってしまうのですが、だからといって無意味だと決めつけずに、「おいしい!」「幸せだ!」と感じるその瞬間、瞬間を、強く意識する習慣をつけようと考えました。
悩みごとを少しだけ脇に置き、気持ちに余裕を作る練習だと思って、日々実践中です。
『鬼滅の刃 無限列車編』で炎柱の煉獄さんがお弁当を食べながら、ひと口ごとに「うまい!」と全力で味わっているシーンは、とても参考になりました(笑)。
思えば、ちょうど去年の今ごろ取り組んでいたマインドフルネスストレス低減法も、数年前トレーニングコースやワークショップに通っていたゲシュタルト心理療法も、禅の思想の影響を大きく受けています。
自分はこういうのに引かれるんだなぁ…と改めて感じました。
原点回帰ということで、今年は仏教講座をもっと受講しようと思っています。
それから、「お寺でマインドフルネス」や「生涯学習館で座禅会」を体験したので、次は「お寺で座禅会」に参加してみたいです。
また、ゲシュタルト療法の方も、新型コロナ以前にはなかった、オンラインのワークショップが開催されるようになり、時々お知らせが届きます。
『知識による知的な気づきではなく、からだ(身体・精神)からの気づきや深い洞察へのアプローチ』が特徴であるゲシュタルト療法のワークを、オンラインでどこまで実現できるのか、興味津々です。
それから、最近になって突然「株主優待」というものに興味が出てきたのですが、とにかく何も知らないので、いろいろ調べるところから始めてみようかなと考えています。
――などなど、抱負的なことが次々と浮かんできました。
やっぱり1月ですね。