かきがら掌編帖

数分で読み切れる和風ファンタジー*と、読書・心理・生活雑記のブログです。

2018-04-01から1ヶ月間の記事一覧

大人の水疱瘡は皮膚科

身内のKが、水疱瘡に罹りました。 仕事帰り体がだるくてしんどかったので、帰宅後に体温を測ったところ38度あり、てっきり風邪をひいたと思ったそうです。 腕にあせものような赤いぽつぽつが出ていたけれど、かゆみもないので気にとめていませんでした。…

お守り(創作掌編)

春香が庭先ですわっているところに、キクおばあさんが通りかかりました。 「春ちゃん、どうした? そんなにしょんぼりして」 「きのうの朝、おなかが痛くなって、病院にいったの。お薬のんだからなおってきたけれど、学校を休んじゃった」 小学校に入学した…

血圧計を買いました。

先日、春の定期健康診断を受診したところ、血圧で引っかかってしまいました。 若い頃は献血をことわられるくらい低血圧だったのが、加齢と共に徐々に上がってきて「普通」になった、と思っていたら──。 そういえば、1月に火事で救急搬送されたときも、 「血…

サイレン

職場も住んでいる所も交通量の多い町中にあるので、緊急車両のサイレンの音を聞かない日はありません。 「ピーポーピーポー(時々、ウーー!)」だったら救急車だし、 「ウー!ウー!ウー!(帰りは、カン、カン、カン)」は消防車、 「ウーー!」の繰り返し…

俳句はことばの娯楽『寝る前に読む 一句、二句。』

遠くない将来、定年退職して働かなくてもよくなったら、俳句を趣味としたいです。 あまり縁のなかった世界なので、少しずつ情報を集め始めました。 インターネット俳句会(ネット句会)というのもあり、扉はいろいろなところに存在しているようです。 そのう…

常夜灯(創作掌編)

幼い頃、星葉の部屋には小さなフクロウ型の常夜灯があった。 ドアの脇近く、コンセントに取りつけられたほのかな灯りは、暗闇の中で頼もしい見張り番だった。 夜中に目が覚めてしまったときは、フクロウにそっと話しかける。 「さみしい」 「こわい」 「いや…

葉桜の公園(創作掌編)

麻紀が勤務する会社は、4月で期が改まる。 所属している部署では、決算期前後の事務処理のため、3月半ばからの1ヶ月が年間を通して最も忙しかった。 連日の残業と休日出勤は当たり前。大量の伝票入力から専門的なデータ解析まで、業務を手分けして処理し…

ユニコーンの角 ~「普通がいい」という病~

「普通」とは、使い勝手の良い言葉だと思います。 平常であることの安心感や、主流派の心強さを表せます。どこか謙虚だけれど、卑下しているというほどではなく、時代や環境によって変わる幅広さも持っています。 その反面、否定的に使われると、急に表情が…

5番目のポケット(創作掌編)

ぼくの持ち主、明のウッドクラフト工房は、小さな工場や作業所が寄り集まっている町なかにあった。 ドアを入ってすぐわきの椅子の背に、仕事用のエプロンが掛かっている。 エプロンは丈夫な布地で出来ていて、寸法も、5つあるポケットの位置も、すべて明の…

ゲシュタルト療法「Why」より「How」

ゲシュタルト療法という心理療法を習っていました。 一緒にトレーニングコースを受講していたメンバーは、セラピストやカウンセラー、医療関連の仕事をしている人などが多かったです。 私の場合は個人的興味だけだったので、専門的なアドバンスコースに進む…

右近の桜(創作掌編)

『右近の桜』は、ソメイヨシノより少し遅れて咲きはじめる。八重咲きの花びらは、かすかに緑がかったクリーム色で、芯のところだけ、ほんのりとした薄紅だった。 渉が見つけた桜は、公園の目立たない片隅に植わっていた。 社会人となり、引っ越してきて間も…