かきがら掌編帖

数分で読み切れる和風ファンタジー*と、読書・心理・生活雑記のブログです。

血圧計を買いました。

 

先日、春の定期健康診断を受診したところ、血圧で引っかかってしまいました。

若い頃は献血をことわられるくらい低血圧だったのが、加齢と共に徐々に上がってきて「普通」になった、と思っていたら──。

そういえば、1月に火事で救急搬送されたときも、

「血圧が高いですが、こんな場合だから仕方ないでしょう」

と、言われたのでした。

 

再検査の呼び出し状が配られているのを、他人事のように見ていたのに、ついに自分のところにも来ることになったのです。

呼び出され経験者に聞いてみると、再検査の通知が来るのは約2週間後、産業医の診察を受けに行き、そこで経過観察や治療など診断してもらうそうです。

 

健康診断の時、問診担当のドクターから、血圧計を持っているかどうか質問されました。

それで、何となく持っていたほうがいいような気がしてきたのと、好奇心も手伝って、血圧計を購入することに決めました。

物を増やすのは気が進まないのですが、健康のためではあるし、血圧計の掌編を創るという手もあります。

 

家庭で主に使われている自動電子血圧計には「上腕式」「手首式」「指式」の3種類があり、さらに「上腕式」は「巻き付け型」と「アームイン型」の2タイプに分かれているそうです。

価格帯も2千円台から2万円台までと幅広い。

コンパクトな「手首式」「指式」は場所を選ばず気軽に計測できる反面、正確性が今ひとつなので、日本高血圧学会は家庭用血圧計として上腕式血圧計を推奨している、とのこと。

 

私は、「上腕式」の腕帯巻きつけタイプを選びました。

信頼の置けるメーカーで、計測した値を記憶しておけるメモリ機能があり、最新型ではないから価格も手頃という機種に絞り込みました。

デザインもシンプルでいい感じです。ユーザーレビューも多く、おおむね好評でした。

 

実際に手にしてみると、こんなによく出来た医療機器が、当たり前のように買えることに感慨を覚えました。

初日は、おもしろくて何度も計ってみました。

計測値もほぼ正常域血圧だったので、なーんだ、あれは診察室で緊張のため血圧が高めに出るという「白衣高血圧」だったのかもしれないと思いました。

 

ところが、翌朝。

起床時血圧を計ると、定期健診で引っかかった時と同レベルの数値が出たので、愕然としました。

血圧は朝がいちばん低い、と聞いていたのに……?

午前中によく頭痛が起きるのは、血圧のせいだったの……?

 何だか、産業医の先生との面談が待ち遠しくなってきました。

 

「早朝高血圧」というものがあるそうです。

早朝には脳卒中心筋梗塞などの発症が多く、早朝高血圧は脳や心臓、腎臓すべての心血管疾患のリスクと有意に関連していると言われています。また、これらの疾患は症状もなく気付かないうちに発症するため、非常に危険です。

 

  日本予防医学協会・健康づくりかわら版(2017年11月号)

  『特に危険!早朝の高血圧とは?』 

  

一瞬、目の前が真っ暗になりました(それとも高血圧なので「真っ赤」ですかね)

とはいっても、これは取り越し苦労であり、ある程度心配しつくすと我に返ります。

私の取り越し苦労の経験値は高いのです。

なかなか我に返らない場合、心に浮かべるのは、良寛さんのお見舞いの手紙に書かれている一文です。

 

 災難に逢う時節には災難に逢うがよく候
 死ぬる時節には死ぬがよく候
 是はこれ災難をのがるる妙法にて候

 

もし誰かに、

「なるようにしかならないんだから、気にしないほうがいい」

と言われたら、カチンとくると思いますが、良寛さんの言葉には素直にうなずけるのです。