2019年に突発性難聴、その翌年にはメニエール病を2度発症し、通院治療でよくなりましたが、耳鳴り・聴覚過敏・軽いめまいは依然として残っています。といっても、日常生活に支障のない程度です。
ところが春のお彼岸のころ、明け方に気分の悪さで目を覚まし、起き上がろうとしたとたん、今まで経験したことのない「回転性のめまい」が起こりました。
耳鼻科でめまいというと、「ふわふわ(浮動性/動揺性)」か「ぐるぐる(回転性)」かと聞かれますが、これまで私はどっちもあると答えていました。
「目がまわるような感覚」を「回転性」と思っていたのですが、実際に回転性めまいを体験してみると、とてもとても、そんなものではないことがわかりました。ほんとうに、天井や壁など、周囲がぐるぐる回って見えるのです。数分以上は続いたと思います。
激しいめまいは1度だけでしたが、その後も体調のすぐれない日が続いたため、受診を考え始めました。
以前、突発性難聴になったとき診てもらった耳鼻科の先生は「めまい相談医」です。人気のあるクリニックで待ち時間が長かったのですが、久し振りにホームページを見たところ、今は完全予約制に切り替えられていると知って、さっそくWeb予約しました。
ホームページ情報によると、VR(バーチャル・リアリティ)ゴーグルを使用した、めまい検査機器を新たに導入したとのこと。VRの仮想空間を用いることで、今までは大きな病院でしかできなかった検査が可能になったとあります。
初のVRゴーグル体験だったのでちょっと期待していましたが、特にアトラクション的な要素はなく(当たり前ですが…)、音声と文字に従ってVR上の指標を目で追ったり、白黒の縦じまが動くのを見つめたりといった内容でした。
「肉眼では見えない微細な自発眼振、注視眼振や、視運動刺激(空間の動き)に対しての目の動きを調べる検査」なのです。
所要時間5~6分で負担のない検査です。最後の方で、自分を中心に直径3メートルくらいのサークル状をした白黒ストライプの柵がぐるぐる回るようなVR動画になったとき、初めの右回りでは軽い酩酊感を感じたのに、次の左回りでは大丈夫だったのが、不思議といえば不思議でした。
その他にも、聴力検査や重心動揺計など、いくつかの検査をしてから診察です。
聴力は前回(5年前)からほとんど落ちていないと聞き、ひとまずほっとします。
そして、VRゴーグルを使った検査結果の、折れ線グラフのなかに点がちらばっているような画像を見ながら、
「右回りのときはちゃんと対象を見ていたけれど、左回りでは“サボって”見ないようにしている」
と説明してもらい、ひざを打ちたいほど納得しました。
最初のときに目が回りそうになったので、次には無意識のうちに、あえてピントをずらして見ないようにしていたのですね。私の脳は1度目の不快を記憶して、2度目にそれを回避したわけです。
さて、今回の診断は、
- 内耳(内リンパ)のむくみによるめまい(突発性難聴以来続いているめまい)
- 良性発作性頭位めまい症(先月起きた激しい回転性めまい)
の2つが合わさったものだということです。
内耳がむくむ原因としては、首こり(椎骨動脈循環不全)・かたよった姿勢・歯の食いしばり・睡眠の質の低下・不安・緊張・プレッシャー・ホルモンバランス・気象の影響など、複合的な要因が考えられます。
良性発作性頭位めまい症は、「耳石」というカルシウムの小さな粒が、頭の位置の変化により、耳の奥にある半規管のなかを動いたため誘発された激しいめまいです。
私は胃がかなり弱いので、慢性胃炎にも効くとというめまいの薬や漢方薬などを処方していただきました。
薬で症状をやわらげながら、心と体と生活を整えていこうと思います。