かきがら掌編帖

数分で読み切れる和風ファンタジー*と、読書・心理・生活雑記のブログです。

2020-10-01から1ヶ月間の記事一覧

よしなし言(創作掌編)~ハヤさんの昔語り#2-13~

外出から戻ると、ハヤさんが私の顔を見て、 「お帰りなさい。何かありましたか?」 と、聞いた。 「あら、そんなに剣呑な顔つきかしら?」 「というより、すごく無表情だったので……」 私は思わず苦笑する。 「打ち合わせの相手が、慇懃無礼を絵に描いたよう…

人感センサーライトの不審な点灯

ちょっと怖いことがありました。 今、私が住んでいる賃貸マンションの部屋は、玄関の照明が人感センサーライトになっています。出入りするとき自動で点灯し、しばらくすると自動で消灯するので便利です。 けれど、私は怖がりなので、もし誰も近寄っていない…

イシバシ棒(創作掌編)~銀ひげ師匠の魔法帖⑬~

晶太が書道教室へ行くと、銀ひげ師匠はお昼ごはんのサンドイッチを作っているところだった。 師匠は魔法使いだけれど、ごはんはふつうに手作りする。レパートリーは限られていて、サンドイッチといえば、トマトと卵のサンドイッチだ。 晶太は魔法と書道、両…