今回の取り組みですが、教材を読み通す前にスタートしたので、早とちりの見落としがありました。
8週間プログラムの第1週と第2週は、ボディスキャンを中心に行い、それとは別に、
① 毎日10分程度、座って呼吸に注意を集中する時間を作る
② 1日に1回「ふだんの瞑想トレーニング」をする
という2つの課題があったのです。
(しまった! ボディスキャンだけでいいと思っていた……)
と動揺しながらも、課題①のほうは、毎朝行っているYouTubeのココイマさんの誘導瞑想をカウントすることにしました。
課題②の「ふだんの瞑想トレーニング」とは、日常生活の中で集中力を養うための練習です。歯を磨く、シャワーを浴びる、食事や運転、買い物など、日課となっている行動の一瞬一瞬に意識を向け、注意を集中するというものです。
このトレーニング法については、お寺で開催されたマインドフルネス瞑想の講習会で、講師の先生から教わり、自分でも少しずつ試みていたのでOKとしました。
「マインドフルネス瞑想法」に取り組むにあたっての、7つの重要な態度のうち、
⑤ むやみに努力しないこと
⑥ 受け入れること
などを適用した次第です。
ちなみに見落とし判明以降は、ちゃんと課題に沿って進めています。
ボディスキャンも2週目に入りました。
左のつま先から始めて、頭のてっぺんまで、少しずつ注意を移動させながら、各部位の感覚を感じ取り、それぞれの場所で数回呼吸します。
たとえば足首なら、鼻から吸った空気が肺、お腹、脚を通って足首まで届くイメージで呼吸します。息を吐くときは逆のルートをたどるのですが、その時、呼吸と共に足首を「解き放つ」あるいは「心から消し去る」よう促されます。
実際にやってみると、呼吸を送って注意を集中させるのは何とかできそうなのに、逆の「解き放つ」が難しい。意識を向けることより、意識から消し去ることのほうが、はるかに困難だとわかりました。
眠気や雑念と闘いながら全身を巡ってきたボディスキャンも、最終段階になると気分的に盛り上がります。
頭のてっぺんに鯨の噴水孔のような穴があいていて、そこから呼吸しているというイメージを作ってください。頭のてっぺんから入ってきた空気は、体全体を通って足の先から出てゆき、今度は足の先から入った空気が頭のてっぺんから出てゆく、一方の端からもう一方の端へ、体全体で呼吸しているというつもりになってください。
こんなふうに体全体で呼吸できたら、さぞかし楽しいだろうと思いますが、まだまだ道半ばです。足の先から入った空気が、凝り固まった肩と首のところで滞ってしまいます。
頭のてっぺんにあいた穴から空気を吸う、これもまた難しいです。CDの音声ガイドでは、大きさは百円硬貨くらいのイメージということですけれど、自分の体感では、針でつついた程度の噴水孔で、そこから空気を吸うのは、とても息苦しく感じます。
それでもやっきになって呼吸を繰り返していると、眠気も雑念も吹っ飛ぶのですが、リラックスした状態とは言い難く、私はいったい何をやっているのかと可笑しくもなるのでした。
ところで、ボディスキャンをしていて、トラウマが想起されてしまう例もあるようです。もし、強い反応が現れたときには、無理をせずに中断し、安全を感じるところまで戻ることが大切です。
書籍『マインドフルネスストレス低減法』のなかでも、ボディスキャン中に幼少期のトラウマを思い出し、専門家のサポートを受けながらトレーニングを続けた結果、心身の健康を取り戻したメアリーという女性の体験が記されています。