かきがら掌編帖

数分で読み切れる和風ファンタジー*と、読書・心理・生活雑記のブログです。

カズ姐さんのインナーチャイルドワークCD

 

「カズ姐さん」こと、心理セラピスト大鶴和江さんのブログに出会ったのは4~5年前ですが、昨年からはYouTube動画も楽しく興味深く視聴しています。

NLPゲシュタルト療法、交流分析など様々な心理療法を学び、たくさんのセッションと研究を積み重ねて独自の心理手法を開発したカズ姐さんは、セラピストの育成にも力を注いでいるパワフルなかたです。

 

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そのカズ姐さんの誘導音声による、インナーチャイルドワークのCDが販売されていると知って、さっそく購入しました。

イメージの世界で、大人の今の自分が幼い自分の未完了の感情を癒す、という「セルフセラピー」のCDです。まるで、時空を超えた再会の物語のようなワークを行えます。

 

約20分のCDですが、設定とストーリーの概略は以下のような感じです。

  1. 主人公である「大人の私」は、子供時代の自分自身を癒すという意思を持ち、ゆっくりと歩きだします。
  2. 「扉」が見えてきました。「扉」を開くと、その向こうには子供のころの自分が待っています。
  3. 「あなたに会いに来たよ」と挨拶し、その子の気持ちを、否定や説明などをせずそのまま受けとめ、必要とする言葉をかけてあげます。
  4. その子がしてもらいたかったこと、やりたくても我慢していて出来なかった願いをかなえてあげます。願うことがすべてかなう自由な空間で、ふたり一緒の時間を満足するまで過ごします。
  5. お別れの時間が来ました。「大人の私」は「子供の私」を抱きしめて、この子のあたたかいぬくもりを感じます。
  6. 「また会いにくるよ」「いつでもそばにいるよ」と伝えて別れを告げ、ふたたび「扉」を開けて、現実の世界に戻ってきます。

 

ゲシュタルト療法を学んでいたとき、ワークのなかでインナーチャイルドが現れることは何度かありましたが、自分から会いに行くというのは初めてです。

雲をつかむような気分でスタートしましたが、要所要所で問いかけられる──、

  • その「扉」はどんな形や色をしていますか?
  • その子供の服装、姿勢、表情は?
  • あなたはその子を見て、何を感じていますか?(などなど……)

という、具体的な質問の数々にイメージが喚起されて、いつのまにかその世界に入り込んでいました。 

 

私の心に浮かんだ「扉」は、生まれ育った家の玄関の引き戸です。昭和時代の、すりガラスのはまった格子戸で、向こうから明るい日が差していました。

「扉」を開くと外は細長い庭です。幼いころの私はしゃがみこんで、地面の草花をながめています。

(さっきからずっと、おかあさんを待っている)ところでした。

庭で洗濯物を干す母のそばで、よくひとり遊びをしていたと聞いたことがあるので、伝聞記憶の姿なのかもしれません。

その子を見て私は、とても小さくて無力だと感じました。

 

CDの誘導に沿って、子供のようすを観察してみると、向こうも私を観察していたのが、なんだか可笑しくて印象的でした。

「子供の私」は、ずいぶんと寂しがっていて、さらに、その寂しさを我慢していました。

私は3人きょうだいの真ん中で、幼いころは祖母が同居していました。同じ敷地内に伯父の一家も住んでおり、にぎやかな環境で育ったのですが、それとは別に、1対1の安心したつながりを求めていたようです。

 

カズ姐さんが語りかけてきます。

大人のあなたが、この子に必要な言葉を言ってあげましょう。たとえば、こんなふうに……

 生まれてきて、よかったんだよ

 もう、がまんしなくていいんだよ

 いい子の振りをしなくてもいいんだよ
  :
  :
  :
 今まで、よくがんばってきたね

 つらいことがあっても、ひとりでがまんしなくていいんだよ

 いつも大人の私が、あなたのそばで気持ちを受けとめてあげるよ 

 

ワークのコアの部分です。涙が止まらなくなりました。

様々な幼少期を過ごした子供たちに向けられた、いくつもの言葉のなかで、ひときわ胸を打つものがあり、それが私自身の未完了の感情と深く関わっているのだとわかります。

「我慢強い」や「聞き分けが良い」は、子供時代の私にとって嬉しいほめ言葉でした。

我慢自体が悪いわけではありませんが、程度問題ですよね。

カズ姐さんの言葉を聞いているうち、自分でも、この子にかけてあげたい言葉が浮かんできました。

言語化」することは、理解につながります。

 

その後の、「子供の私」の願いをかなえてあげる時間は、なんでもありのフリータイムです。お店に並んでいるのを見て、ずっと欲しかったのに、お年玉をもらって買いに行ったら売り切れていたおもちゃがあります。そのおもちゃを一緒に買いにいって、そのおもちゃで一緒に遊びました。

 

インナーチャイルドワークは繰り返し行うことで、癒しが深まっていくワークです。

私はひと月ほど続けていますが、内容は変化したり、元に戻ったりしています。かなり心のエネルギーを使うので、「扉」を開ける前後に寝落ちして、「ワークを終了します」というカズ姐さんの声で目を覚ます、ということも少なからずあります。

 

ちなみに、

カズ姐さんご自身のインナーチャイルドは、かつて「虚ろな目をしていた」らしいのですが、今では、北海道美瑛町の広大な花畑で、ゾウさんのお鼻の形をした赤いジョウロを持って水をかけながら、元気いっぱい走り回っているそうです。

 

その光景を描いたイラストが、CDのジャケットになっています。

 

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幼い自分に出会うインナーチャイルド瞑想(株式会社 ユアエクセレンス

 

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