かきがら掌編帖

数分で読み切れる和風ファンタジー*と、読書・心理・生活雑記のブログです。

バトンの行方

 

山猫🐾さん (id:keystoneforest)

そして、

まさき りおさん (id:rio-masaki)が、

ブロガーバトンを渡してくださいました。

ありがとうございます。

 

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rio-masaki.hatenablog.jp

 

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山猫さんといえば、出会いの創作短編小説には衝撃を受けました。

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こんなにおもしろいお話を書く人がいるんだ!と興奮しながら、読者登録したことを覚えています。

よもや、ブログを通じて3年近く交流を続け、掌編に登場してもらうまでの仲になる(笑)とは思いもしませんでした。

山猫さんの文章には、ふとした日常の出来事が綴られていても、風の流れや鼓動の響きまで伝わってくる不思議な力がありますが、たぶん「山猫のひげ」という超高感度センサーを隠し持っていらっしゃるからでしょう。

 

りおさんとは、きっといつかリアルでお会いする日が来ると思っています。その時にはもちろん、りおさんと私の望み通り、らいりさん (id:hentekomura)も同席されているはずです。

私は、りおさんから、自分の好きなことに素直でいることのステキさを教わりました。


rio-masaki.hatenablog.jp

りおさんのブログは、これまでまったく知らなかった「宇宙」の情報があふれ出てくる、宝箱のようなブログです。つい先月も、部分日食のお知らせをいただき、私は生まれて初めて、国立天文台ライブ配信を視聴しました。

 

 

今回、バトンを受け取ったとき、嬉しさと共に「癒し」を感じました。

かつて、誰からもバトンを回してもらえず涙した経験があるからです。

 

3年以上も前のことです。

当時私は、ゲシュタルト療法という心理療法のトレーニングコースを受講していました。

ゲシュタルト療法では、「感情はすべての行動を活性化する力」ととらえているので、どんな感情にも良い・悪いなどのジャッジをせず、表現して感じ切る練習をします。それはまた、「いま─ここ」の自分に気づくことの実践でもあるのです。

十数人の仲間と1年間、毎月2日連続で、朝から晩まで密度の濃い時間を過ごしました。

 

いち日の終わりには、参加者全員が感想を述べ合うチェックアウト・タイムがあります。
大抵はファシリテーターの隣に座っている人から始めて、順番に回っていくのですが、「指名方式」をとるファシリテーターもいました。感想を言い終えた人が、次の人を指名していくやり方です。バトンを渡す相手を選ぶのです。

私はこの指名方式が好きではありませんでした。もし、最後まで誰からも選んでもらえなかったら嫌だなと、毎回のように思っていました。

それはずっと杞憂に終わっていたのですが、よりによってトレーニングコース最終日のチェックアウトで、怖れていたことが起こってしまいました。

 

2日間の合宿の締めくくりという、とても感慨深いはずの場面なのに、私はショックで落ち込み、自分を選んでくれなかった仲間に腹を立て、指名方式をとったファシリテーターを恨めしく思いました。けれど、その感情を表には出しませんでした。

恥ずかしかったからです。

後になって、コフートという精神分析学者の「恥とは自己愛の傷つきである」という言葉に出会ったとき、なるほどと納得したものです。

 

良い思い出とは言えない出来事でしたが、時が経つにつれ、あれはトレーニングコースの修了を飾る最高のワークだった、と感謝するようになりました。

結局のところ私にとって問題なのは、人に認めてもらえない自分には価値がない、と感じてしまう思考回路だと痛感したからです。すっかり定着してしまった考えかたの癖を変えるのは容易なことではありませんが、どうすればいいかのヒントは得ていました。

toikimi.hateblo.jp

このワークをするまで、私が考えていたインナーチャイルド像は「傷ついた無力な子供」だったのですが──、

 

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出現したのは、リトルミイだったのです。

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ミイは自己肯定感のかたまりで、怖れというものを知りません。少しもためらわず、自分のしたいことをします。私が子供から大人へ成長するとき、周囲の状況に適応するために抑え込み、切り離してきた存在そのものだと思いました。

 

マグカップやミニタオル、スマホケースなど、私の身のまわりにはリトルミイのキャラクターグッズがいくつもあります。失敗や後悔、他人の思惑などを怖れて、自分がしたいこと止めていると、どこかしらでミイと目が合う仕掛けになっています。

ミイにひと睨みされて、仕方なくハードルを飛びに行ったり行かなかったりの毎日です。

 

 

ここで、りおさんと山猫さんにお知らせしたいことがあります。

 

いただいた2本のバトン、ミイがとても気に入って、がっしり抱え込んでしまいました。3年余り遠まわりして手元に届いたバトンを、誰にも渡したくないようです。

「いや、これはあのときのバトンとはちがうから……」

「ちゃんと次へ繋がないとダメだから……」

という説得にも、まるで聞く耳を持ちません。

なのでバトンは当分(ひょっとしたらずっと)、ミイ≒私のところに留まることになりました。

 

      

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