かきがら掌編帖

数分で読み切れる和風ファンタジー*と、読書・心理・生活雑記のブログです。

D.ノート

 

ちょうど1年前、心理セラピスト大鶴和江さんの新刊『“禁止令”を解く方法』の発売記念講演会に行きました。

 

toikimi.hateblo.jp

 

このとき、「自分のなかにあるけれども認めたくない嫌な感情や感覚を、ノートに書きなぐる」というセルフワークを力強く推奨され、さっそくノートを買った次第です。

ワークを始めるにあたり、景気づけにワン・オラクルでタロットを引いてみたら、2枚のカードが飛び出してきました。大アルカナの「悪魔」と、豊かさに恵まれた女性が優雅に佇む図柄のペンタクル9です。なんてぴったりなカードが出たのだろうと、思わず笑ってしまったことを覚えています。

なんの問題もなさそうな顔をしたい自分と、その裏側に存在する「悪魔:THE DEVIL」のークやーティな一面のをとって「D.ノート」という名前でいくことに決め、表紙用のシールまで作成──。

 

D.ノート

 

このD.ノートを、1年かけてようやく使いきりました。

 

見開き2ページで1ワーク、全部で27のワークを行ってきて、ざっと見返してみると、単発の案件がいくつかあるものの、残りは主に3つのテーマが繰り返されています。単発の場合は、ノートに書きなぐってワークをすれば、すっきりして忘れてしまうのですが、繰り返し出てくる方は根が深く、1年かけても進展しませんでした。

「他人と過去は変えられない」

という、交流分析を創始した精神科医エリック・バーンの名言がありますが、私がとらわれている問題も、結局は他人と過去のことです。「変えられない」と頭ではわかっていても、どうしても受け入れがたくて、必死に抵抗している有様を、客観的に見ることができました。ぐぬぬ…これを容認してしまっては浮かばれぬ!みたいな感じでした。

もとより解決不能だったわけですけれど、とにかく「やってみた」。それが1冊にまとまったとき、やりきった感が湧いてきて、なにひとつ変わっていなくても、妙に納得するものがあります。

 

また、たとえ解決が無理であろうとも、がんばって取り組んでいるうちに、支えになってくれる人間関係や、まさに必要としていた情報に気づきやすくなりました。これにはもう感謝しかありません。

D.ノートは1冊で完了しますが、言語化することの効力について身をもって実感しましたから、また別の形で手書きのワークを続けていくつもりです。