かきがら掌編帖

数分で読み切れる和風ファンタジー*と、読書・心理・生活雑記のブログです。

疑義照会(ぎぎしょうかい)

 

先日、メニエール病の治療で耳鼻科のクリニックに行きました。4月から通院しているので、一連の流れは慣れたものです。めまいや聴力などの検査結果をもとに、いろいろ先生とお話した後、受付で会計を済ませ処方箋を受け取りました。

 

薬は、職場のすぐそばに処方箋受付の窓口を設けている薬局があるため、いつもそこで調剤してもらっています。

処方薬は数種類、顔見知りの薬剤師さんに、ひとつひとつ説明を受けつつ、一緒に数量を確認しているとき、あれっ?と思いました。前回、治療の進捗に応じて一部の薬が変わり、それを今回も継続するはずなのに、前々回の内容に戻っていたのです。

クリニックの受付で処方箋をもらったとき、ノールックでしまいこんだため、まったく気がつきませんでした。

一瞬、頭のなかがフリーズ状態になった後、

(となると、まずはクリニックに電話して事情を説明し、処方箋を再発行してもらい、それからまた電車に乗って取りに戻らなければ……)

あれこれ対処手順を考え始めたとき、薬剤師さんから救いの一言がありました。

「こちらから問い合わせましょうか?」

そんなことができるのですか!とびっくりでしたが、「できます」とおっしゃるので、飛びつくようにお願いしました。すると、すぐに電話で確認してくださり、処方箋の訂正が行われたらしく、無事に前回と同じお薬を購入することができました。

 

薬剤師さんに厚くお礼申しあげ、よかったよかったと喜びながら薬局を後にした次第です。

気になって調べてみると、これは「疑義照会(ぎぎしょうかい)」というものでした。

今回の私にとっては、とてもありがたく親切なサービスという印象でしたが、実は、

(処方せん中の疑義)
第24条 薬剤師は、処方せん中に疑わしい点があるときは、その処方せんを交付した医師、歯科医師又は獣医師に問い合わせて、その疑わしい点を確かめた後でなければ、これによつて調剤してはならない。〔薬剤師法〕

と、法律に定められた義務であり、患者の健康や生命にかかわるリスクの発生を未然に防ぐため、薬剤師さんたちが担っている大切な役割の一つなのでした。

 

人間のすることなので、どうしてもミスは起きます。ミスが起きたときカバーするための仕組みがちゃんと作られていることを、たまたま今回、知ることができました。

 

薬剤師さん ありがとうございます。