一緒にフォーカシングを学んでいる方と、じっくりセッションする機会がありました。
私がフォーカサー(クライエント役)で、テーマとして選んだのは前の晩に見たばかりの、ちょっと印象的な夢です。
「小鳥のロボットみたいなもので遊んでいたら、壊れてしまったらしく動かなくなった。なんとか直そうとして、部品を調べたりコードを引っぱったりする」という夢。
フォーカシングのセッションでは、テーマを思い浮かべながら、ゆっくりと自分の内側に意識を向け、からだに感じる感覚や、湧いてくるイメージを言葉にして、リスナー(セラピスト役)に伝えていきます。
最初に浮かんできたのは、「胸のなかの暗い空間に、複雑にからみあったコードや部品がひとかたまりになって浮かんでいる」というイメージでした。手のひらに乗るほどの小さな塊です。
しばらくすると、それはすごく嫌な感じに変わってきました。コードや部品の集まりではなく、小さな生き物の繊細な骨格とか残骸のように思えてきたのです。
同時に、長年にわたって繰り返し見ている、ある夢を思い出しました。
「小動物を飼っていることを忘れ、もう何ヶ月もお世話をしていないと気づいて狼狽する」という内容で、罪悪感でいっぱいになって目を覚ます、とても後味の悪い夢です。
そういう「嫌な感じ」でも、無くそうとか解釈しようとかしないで、ただそのまま抱えていると、おもしろいことが起こる(かもしれない)のがフォーカシングの醍醐味だと、個人的には思っています。
とはいえ、セッションのこの時点では、私は「もうどうしよう…どこ行くの?」という感じでしたし、後で聞いたところではリスナーの方も同じだったそうです。
今回の場合は、ふと気づくと、小さな残骸だったものが無数の光の粒子となって、星雲のように渦を巻いているイメージに変化していました。色は淡くあたたかみのある橙色で、非常にゆっくりと動き続けています。

↗↗↗ フリーのイラスト素材を加工してみましたが、実際にはこんなにクリアな感じではなく、おもちゃの望遠鏡で眺めたような、解像度の低い心象です。
生物/無生物の区別がない世界だという感じがしました。始まりと終わりの区別もありません。取り返しのつかない失敗も、永久に「失敗」のまま在り続けるわけではないことを体感できて、なかなか楽しいフォーカシングになりました。
ちなみに「ペットの世話を忘れる夢」の夢占い的な意味は、
- 何か大切なものを忘れているという警告
 - 自己ケアへの呼びかけ
 - 責任からの解放
 - 人間関係を修復することの必要性
 
など、いろいろあるようです。