ラジオで気象予報士の方が、彼岸花は全国でほぼ一斉に咲くというお話をしていました。
開花前線が2ヶ月ほどかけて北上していく桜とは対照的です。
職場でランチタイム・ウォーキングをしている同僚から、彼岸花が咲いていると聞き、自分も写真が撮りたくなって、近場の公園まで行ってみました。
↓↓↓ こちらは同僚の写真、華やかです。
右側は白い彼岸花、群生していて美しい。↑↑↑
彼岸花の別名は多く、「曼珠沙華(まんじゅしゃげ)」が有名ですが、他にも「葉見ず花見ず」という呼び名もあるそうです。
確かに、地面から茎だけが伸びて花を咲かせていました。
成長サイクルは独特で、お彼岸が近くなると花芽のみが出てきて、短期間で伸びて開花します。1週間ほど咲いて花も茎も枯れたあと、10月以降に球根から葉が出て茂り、そのまま冬を越します。翌年の5月には地上部分がすべて枯れ、再び秋に花芽を出すのです。
植物は昼夜時間の長さを葉で感知して季節を知り、花芽を形成すると言いますが、花と葉が同時に見られない「葉見ず花見ず」の彼岸花には当てはまりません。
知れば知るほど、ミステリアスです。
専門家の研究によれば、彼岸花を冬期に温室で栽培すると、夏に葉が枯れず常緑性になり、花は咲かない。ゆえに、彼岸花の花芽分化には低温遭遇を必要とし、低温がバーナリゼーション(春化)として作用しているようだ、とのことです。
バーナリゼーションとは、「植物が冬の低温状況に一定期間さらされることによって、開花もしくは発芽能力が誘導されること」。
さて、3年近く前になりますが、種から山桜を育てるミニ盆栽にチャレンジしました。
このとき、種まき前の下準備として、山桜の種を冷蔵庫に入れ冬を疑似体験させる、ということをやったのですが、これも人為的なバーナリゼーションだったのかもしれません。
けれど、山桜は発芽せず、鉢を室内から室外へ移したり、休眠打破を試みたりしましたが、効果はありませんでした。
放置と見守り8:2くらいの感じで時は過ぎ──、
先月の初旬、ふと「もう、いいかな」と思い立ち、鉢仕舞いすることにしました。
寂しく残念な気持ちもありますが、「待てど暮らせど」の状態が終わって、少し心が軽くなりました。