かきがら掌編帖

数分で読み切れる和風ファンタジー*と、読書・心理・生活雑記のブログです。

まっくらやみ(創作掌編)~銀ひげ師匠の魔法帖⑮~

 

 連休明け、晶太が銀ひげ師匠の書道教室へ行くと、顔を合わせるなり聞かれた。

「どうした? 目の下にクマができてるじゃないか」

「寝不足です。3日連続で変な夢を見てるから」

「ほう、どんな夢なんだい?」

 とにかく、やたらに暗闇がせまってくる夢だ。

 右側に闇があると気づいて、左へよけようとすると、いつのまにかそこもまっ暗闇になっている。闇は互いつながり合うように増殖して晶太を包みこみ、息苦しさのあまり目を覚ますまで、動くに動けない状態が続くのだった。

 晶太の説明を聞いて、師匠はまゆをひそめた。

「えらく疲れそうな夢だね。育ち盛りの子供が睡眠不足とはよろしくない。そうだ、私がその夢を買ってあげよう」

「師匠が、ぼくの夢を買う……。どうやって?」

 すると、銀ひげさんは台所へ行き、小さな包みを大切そうに持って戻ってきた。

「夕食用にとっておいた握り飯だけれど、これで晶太の夢を譲り受ける」

 晶太は合意を表明し、3個のおにぎりのなかからひとつを選んで、すぐさま食べた。

 

 その夜、夢のなかに暗闇は現れなかった。

 翌日、熟睡して元気になった晶太が報告に行くと、銀ひげ師匠は嬉しそうにうなずいた。

「師匠に買われていった夢は、どうなったんですか?」

「見せてあげよう。ちょうどいい機会だったので、前々から考えていたことを実行したんだがね──」

 といって、今後は書庫として使うという小部屋を披露する。

「魔法関係の資料や道具は、日の光を嫌うものが多い。押し入れに収納していたのだが、スペースが足りなくなってきたから、こちらの部屋へ移すことにした。けれど、その前に遮光カーテンを買わなければと思っていたのさ。ここは西日が差すんだよね」

 職業としてではなく、生き方として魔法使いを選んだ銀ひげ師匠は、魔法の研究が大好きだ。弟子の晶太が見ても、うさんくさく思えるグッズを、悩んだすえにネットで買ったりもする。

 

 銀ひげさんが案内してくれた書庫の窓にかかっていたのは、ごく普通のグレーのカーテンだったけれど、一筋の西日も差し込んでいなかった。

 

 

 窓は、墨を塗ったようにまっ黒だ。

「夢のなかにおられた暗闇の神様は、この部屋の窓へお移りいただいた」

 晶太が習っている魔法の考え方は、森羅万象にはそれを司る神様が存在する、というものである。それぞれの神様に「ウタ」と呼ばれる古い言葉であいさつして交流し、頼み事をかなえてもらうという一連の流れが、魔法の働きなのだ。

 

「それからね、こっちは昨日、ちとせさんが忘れていった日傘なんだけど、この傘の内にも宿っていらっしゃるんだよ。晶太に夢の代価として渡したおにぎりは、彼女の手土産だったわけだから、お裾分けみたいなものさ」

 ちとせさんは、銀ひげ師匠の妹弟子で、おにぎりの専門店を経営している。魔女だから、普通の日傘が突然、完全遮光日傘に変わっても気味悪がったりせず、むしろ喜んで使うだろう。

 すべてが丸くおさまり、銀ひげさんは上機嫌だった。

 

 季節が一回りした。

 連休明けに晶太が書道教室へ行くと、銀ひげ師匠はネット通販のダンボール箱をたたんでいるところだった。

「遮光1級のカーテンさ。遮光率はなんと99.99%以上らしいよ。さっきまで、これを書庫に取り付けていたんだ」

「えっ、暗闇の神様は?」

「昨夜、出て行かれた。これまで誰かをびっくりさせたり、役立ったりしてきたが、今度はまた別のこと、御自身の幸福を追求してみたいそうだ。それでも、遮光カーテンの配達予定通知メールを確認するまで、出立を待っていてくださった。まことに心優しき神様だ」

 感謝の面持ちで話し終えた銀ひげさんに、晶太は尋ねた。

「ちとせさんには知らせました?」

「おお、よく気づいてくれたね。急に普通の日傘に戻って、戸惑っているかもしれないな。晶太がしっかり者なので助かるよ」

 さっそくメールで連絡すると、5分も経たずに着信音がなった。

 

 ちとせさんの返信メールを読んだ師匠が、笑いをこらえるような表情になる。

 その文面には──、

「あら? 今、両親を連れて2泊3日の温泉旅行をしているの。初日の今日は、渓谷やテーマパークを巡ったのだけれど、日傘の内にいらっしゃる暗闇の神様も大喜びでしたわ」

 と、書かれていた。

 

 

動く瞑想 スワイショウ

 

座って呼吸に意識を向ける静坐瞑想は、毎度のように強い眠気が襲ってくるので、ヨガをメインに瞑想を続けてきました。

ヨガは、マインドフルネスストレス低減法というトレーニング・プログラムのなかのひとつ、マインドフルヨーガです。音声ガイドを聴きながらマインドフルヨーガを行うと、その後、15分ほどの静坐瞑想中も眠くなりません。

楽しく続けることを目標に1年が過ぎ、すっかり生活の一部になりました。

 

ところが、なぜか体は硬くなる一方💧

ヨガによって柔軟性が高まるどころか、背骨はガタガタ・ガチガチ、瞑想後に立ちあがるのも一苦労です。あちこちの痛みや不調も続き、やり方を見直したほうがいいのかも?と考え始めました。

背骨がロックバランシングみたいに凸凹して、無理やりバランスをとっている感じなので…。

 

ロックバランシング

 

もしヨガが体の負担になっているのならば、歩く瞑想に変えてみるという手もありましたが、室内で歩行瞑想をしていると、妙に心が沈んでくるので、気が進みませんでした。

私にとって瞑想は、修行ではなく、趣味とか心身の健康法ですから、いわゆる「我慢」は避けたいところです。

 

そんなとき、ふと思い出したのが「スワイショウ」。

私の母は十年以上前に他界していますが、60代から70代にかけて、ご近所のお友だちと練功十八法(れんこうじゅうはちほう)という健康気功体操を習っていました。

そのころ、家でよくやっていたのが、スワイショウという腕振り体操です。

多分、練功十八法の準備運動として教わったのだと思いますが、立ったまま、両腕を前後や左右に振るだけ、という簡単な動きでした。

 

さっそくネットで検索してみると、太極拳やヨガ、整体など、いろいろな専門家の方たちのスワイショウ動画が見つかり、とても参考になりました。

「文献」にも当たりたいと思っていたら、どんぴしゃりのムック本を発見(笑)。

 

『腕を振ると病気が治る!(楽)やせる!』マキノ出版

 

楊 進(よう すすむ)さんという日本健康太極拳協会の理事長が、写真付きで詳しく解説されています。

スワイショウは、太極拳よりはるかに歴史は古く、紀元前から行われてきた気功法の一種で、簡単にできて体に優しい腕振り体操。その健康効果としては──、

  • 意外と重い腕(体重60㎏の人で両腕8㎏)を勢いよく振りながら姿勢を維持するので、下肢(足)や体幹(胴体)の筋肉を使う全身運動になり、代謝が高まるためダイエットできる。
  • 姿勢を整えるので、ひざ痛や腰痛の改善・解消に効果的。
  • リズミカルな運動であるため、セロトニン(精神を安定させる働きをする脳内の神経伝達物質)の分泌が高まり、ストレスに強い心身をつくる。

他にも、高血圧・冷え性・肩こり・首こり・便秘などに対する効果が挙げられていました。

 

さらに、岡田恒良さん(医学博士・なごやかクリニック院長)の、医学的な説明も載っています。

 スワイショウにこのような効果があるのは、背骨(脊椎・せきつい)を波打つように動かしたり、ねじったりする動作があるからです。

 脊椎動物にとって、背骨を動かすことは大きな意味があります。自律神経が背骨から各器官につながっているからです。そのため、背骨やその周囲の筋肉がかたくなると、自律神経にも悪影響が及びます。スワイショウで背骨の周囲の筋肉をほぐして柔軟な背骨をつくると、自律神経のバランスが整うのです。

 さらにスワイショウは、脊髄(せきずい・背骨の中にある神経の束)を動かして、神経機能に重要な役割を果たす脳脊髄液の循環を促します。すると、脳の老廃物がスムーズに取り除かれ、精神が安定するのです。精神面での効果は、規則正しく反復する動きで頭が空っぽになるため、落ち着きやひらめきなどが得やすいともいえます。

 

さて、スワイショウをするときの、基本の決まりは以下の5点になります。

  1. 呼吸は自然に行う。
  2. 腕の力を抜き、ゆったりとしたスピードで腕を振る。
  3. 無理に腕を振り上げたり、体をひねったりしない。自分のできる、気持ちいい範囲内で行う。
  4. ヘルニアなど、整形外科的治療を要する人は行わない。
  5. 腕がぶつかる物がないところで行う。

 

前後のスワイショウ

  • 足は肩幅ぐらいに開き、ひざや股関節の力を緩めて立つ。
  • 腕や肩の力を抜いたまま、両腕を前後に振る。ひざを少し曲げて行うと、筋力強化によい。
  • 視線は常に正面、あごは軽く引く。
  • 前に振るときは、肩の高さくらいまで。振り上げたとき手のひらが上に向くようにすると、より効果的。
  • 後ろに振るときは、無理に振り上げるのではなく、反動で放り投げるようにする。

 

前後のスワイショウ(楊 進 さん)

 

左右のスワイショウ

  • 足は肩幅ぐらいに開き、ひざや股関節の力を緩めて立つ。
  • 腕や肩の力を抜いたまま「視線で体を引っ張る」つもりで、左右に体をひねる。
  • デンデン太鼓を回すイメージで体をひねり、腕は自然に体に巻きつくようにする。
  • ひざが内側に入ると負担がかかるので、ひざとつま先の向きは同じにする。

 

左右のスワイショウ

 

ムック本表紙のモデルさんがしていらっしゃるのが、左右のスワイショウです。

体をひねることで体幹の筋肉がまんべんなく使われ、内臓のマッサージ効果も期待できるという体操ですが、残念ながら私は、以前から痛みがあった左側の股関節に負担を感じ、見合わせることにしました。

 

けれど、この本は『腕を振る』特集なので、スワイショウ以外にもいろいろな体操が紹介されています。

そのなかで、パーソナルトレーナーの鈴木亮司さんが指導している「腕ブラブラ体操」に引きつけられました。

 

腕ブラブラ体操

 

左右のスワイショウに似ていますが、違うのは「両足のかかとをつける」と「顔は正面を向いたまま動かさない」の2つです。

股関節やひざに負担を感じることなく「デンデン太鼓」的な動きも楽しめるという、私にとっていいとこ取りの体操だと思いました。

ちなみに、この「腕ブラブラ体操」は、らくでゆるやかな動きで、大腰筋(上半身と下半身をつなぐ非常に重要なインナーマッスル)を強化できる体操だといいます。

 

 

どれも、1回につき数分程度で、無理なく続けるよう推奨されている体操です。私は、同じ動きだと飽きてくるので、組み合わせながら毎日計15分ほどやっています。

2ヶ月間継続してみて、今の自分に合っている方法だと実感したので、このまま「柔軟な背骨をつくる」ことを目指したいです。

先日、リモートワークのせいで太ったと嘆く身内に、これらの体操を勧めるメールを参考URL付きで送りましたが、悲しいことにスルーされました(^^;)。

私自身に何か具体的な成果が上がってきたら、再度、推したいと思います。

 

 

新しいノートパソコン

 

ノートパソコンを買い替えました。

前に買ったのは2017年1月でしたから、約5年ぶりです。

前回とは使用目的も変わったので、低価格で初心者向けの「エントリーモデル」から、標準的な価格帯と性能の「スタンダードモデル」へ、ちょっとランクアップしました。

「これを選んでおけばきっと間違いなし!」「とりあえずビールのような」「ちょうどいいパソコン」という、定番シリーズのパソコンです。

 

手元に届いて箱から出したとき、インチ数を間違えて発注してしまった?と思うほど、コンパクトなサイズ感でした。

前と同じ15.6インチなのですが、重ねてみるとひと回り小さくなっています。

質量も2.1kgから1.7kgへと、400g軽くなりました。

 

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新旧パソコンを重ねてみました。

 

小型軽量化した分、前にあったものが無くなっています。

ひとつは、CD/DVDドライブです。こちらは発注前に、スペック詳細を見てわかっていました。

そしてもうひとつ、想定外だったのがLANポート。

インターネットを有線接続するときの、LANケーブル差し込み口ですが、当然あるものだと思っていたので、いざ新パソコンにインターネットを接続しようとして見当たらず、しばし途方に暮れました。

けれど、気を取り直して「きっとこういうものがあるはず」と検索したら──、

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エレコム ELECOM
EDC-GUC3-W [有線LANアダプタ Giga対応 USB3.0 Type-C ホワイト]
有線LANポートが無い薄型のType-Cポート搭載パソコンに最適!挿すだけで使え、高速ネットワーク通信が可能なUSB3.1ギガビットLANアダプター。

というものが見つかり、即発注。

LANポートが無くなった替わりに搭載されたUSB Type-Cポートを、有線接続用として使うことにします。

 

さて、無事ネットにつながったので、さっそく日常的に使い始めたところ、新パソコンの処理速度に感動しました。世に言う「サクサク動く」とは、こういうことなのですね。

以前は、数十秒から数分くらい待つのは当たりまえでしたから、とりあえず起動させておいて、始まるまでのあいだ他の用事を済ませる、というのが常態になっていました。

新しいパソコンで無くなった最大のものは、CDドライブやLANポートより「待ち時間」かもしれません。

 

そこで気になったのが、インターネット回線の速度です。

Googleスピードテストが出来ると知り、測定してみました。

 

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すると、Mbps(ダウンロード/アップロード)やレイテンシなどの、知識不足でよくわからない数値と共に、判定コメントが表示されました。

 

【旧パソコン】

インターネット速度は高速です。

このインターネット接続では、同時に複数のデバイスへのHD動画のストリーミングを処理できます。

 ↓↓↓

【新パソコン】

インターネット速度は非常に高速です。

このインターネット接続では、同時に複数のデバイスでのHD動画のストリーミング、ビデオ会議、ゲームを処理できます。

 

あらまあ…(^^;)

今住んでいる賃貸住宅はインターネット無料の物件で、プロバイダ契約の必要もなく、LANコンセントにケーブルを差し込めばすぐに使えるという、とてもありがたい環境なのですが、回線速度は安定していません。

YouTubeやHuluの動画視聴中しばしば止まりますし、以前友だちとZoomのビデオチャットを試したときは、フリーズしっぱなしで会話不能でした。

などと、少し前の記事に書きましたが、思い違いによる決めつけだったわけです。不安定の原因はネット環境ではなく、私のパソコンのスペック不足でした。

オーナーさん、ごめんなさい(笑)。

今後は、ポケットWi-Fiをレンタルをしなくても、オンラインワークショップに参加できそうです。

 

5年以上のあいだ、スペック上限ぎりぎりの酷使に耐えて、いつも苦楽を共にしてくれた旧パソコンさん、ありがとう♡ありがとう♡♡

 

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ほんとうにお疲れさまでした!

 

炊飯器で米粉パン

 

炊飯器で定期的にケーキを作っているのですが、メニューのなかに「パン醗酵」と「パン焼き」があることに気づき、米粉パンに挑戦してみました。

 

YouTubeにシンプルでとてもわかりやすい動画があったので、参考にさせていただきました。

 


www.youtube.com

 

レシピを少しアレンジして作りました。

【材料】

米粉(ミズホチカラ)…200ℊ

「ミズホチカラ」米粉作りのために開発された品種で、一般的なうるち米で作られた米粉より製パンに適しており、グルテンや増粘剤を使わなくても、ふんわりしっとりとしたおいしいパンができる。

ドライイースト…3g

③塩…3g

➃ぬるま湯(35℃くらい)…165g

⑤ハチミツ…8g

⑥油(オリーブオイル)…8g

 

・今回、砂糖の代わりにハチミツを使いました。(砂糖なら10g。その場合、ぬるま湯は170gになります)

ハチミツのほうが甘味度が強いので、砂糖と同じ甘さになるハチミツの重量を出したいときは、

 砂糖の重さ(g)÷1.3=ハチミツの重さ(g)

という計算式を使えばいいそうです。

ドライイーストは初めて使うため、小容量使いきりサイズがいいと思い、サフというメーカーの、3g入り小袋になっているもの買いました。YouTubeのレシピでは4gです。

 

【作り方】

・①~③の材料をボールに入れて、泡だて器で充分に混ぜる。

・ぬるま湯にハチミツを溶かしてボールに加え、さらにオリーブオイルも加えて、トロトロのリボン状になるまでゴムべらで練る。

・炊飯釜に流し入れ、パン醗酵モードで40分醗酵。

・パン焼きモードで40分焼く。

 

醗酵するとパン生地が2倍に膨らむと書いてありましたが、ほんとうでした!

 

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焼きあがったパンを見ると、米粉だけにお餅っぽく見えましたが…

 

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ひっくり返したら、ちゃんと焼き色がついていて、パンでした!

 

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焼いている途中でパンを一度ひっくり返すと、両面に焼き色をつけることができます。

今回は省略しましたけれど、焼き色のついたところがフランスパンのように香ばしかったので、次は両面とも焼いてみようと思いました。

(追記:30分でひっくり返した後20分)

炊飯器で作った米粉パンは素朴な味わいで、毎日食べたくなるようなおいしさでした。

 

炊飯器ケーキでも、少し前から米粉ホットケーキミックスを使っていたのですが、これからはミズホチカラの米粉だけで、パンもケーキも焼いてみたいです。

 

 

オンラインワークショップに初参加

 

Zoomを使ったオンラインワークショップに初めて参加しました。

 

参加するにあたり、最大の懸案事項だったのはネット環境です。

今住んでいる賃貸住宅はインターネット無料の物件で、プロバイダ契約の必要もなく、LANコンセントにケーブルを差し込めばすぐに使えるという、とてもありがたい環境なのですが、回線速度は安定していません。

YouTubeやHuluの動画視聴中しばしば止まりますし、以前友だちとZoomのビデオチャットを試したときは、フリーズしっぱなしで会話不能でした。

【追記】パソコンを買い替えたところ、この問題は解消しました。原因はパソコンのスペック不足だったようです。

 

この状態ではオンラインワークショップは難しいと思っていたのですが、探してみたら、うってつけのサービスがありました。

インターネットに接続するための小型で軽量な通信端末、モバイルWi-Fiルーター(ポケットWi-Fi)を、1日単位でレンタルできる「レンタルWi-Fi」です。

そこで、オンラインワークショップと同時に、レンタルWi-Fiも申し込むことにしました。

 

レンタルの手続きはWebサイトで簡単にできます。

申し込みフォームで、①端末と台数、②受取返却方法、③利用期間などを選択。他に、モバイルバッテリーやWi-Fi中継機、データ中継ケーブルなどを一緒にレンタルできるオプションサービスもありました。

利用金額と内訳を確認した後、注文者情報やクレジット情報を入力すれば完了です。

 

私は今回、ずらりと並んでいる取り扱い機器のなかから、「売上ランキング№2」「顧客満足度№1」「利用可能データ量無制限」「高速通信可能」というポケットサイズのWi-Fiルーターを選びました。レンタル料金は1日496円です。

そして「コンビニ受け取り」(550円/台)「ポストに返却」(517円/台)を選択し、利用期間は使用の前日からの1泊2日(2日間)にしました。

さらに、破損時・故障時・紛失時に80%から全額が補償されるという、安心補償サービス(44円/日)をつけて、合計金額は2,147円(税込み)でした。

 

送られてきたのはこちらのセットです。↓↓↓

 

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しっかりしたポーチに入っていたのは、「除菌済」のシールが貼ってあるポケットWi-Fi、充電用のACアダプターとケーブル、説明書などの書類、ポスト返却キット(ビニール封筒・宛名シール)、そしてクーポン券です。

ルーターの正面にはWi-Fi接続時に必要なSSIDとパスワードが明記されていて、誤作動防止用カバーも装着してありました。

 

 

さて、ネット環境を整えて臨んだ初のオンラインワークショップだったのですが、残念なことに大小のトラブルが発生し、途中退出という結果になってしまいました…💧

 

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小さいトラブル:Zoomミーティング中の画面に「インターネット接続が不安定です」と表示される。

2~3度起こり、そのたびギクッとしたのですが、しばらくすると自然に消えました。

無線で通信していると、電波干渉などの影響で通信速度が落ちたり、不安定になったりするのはめずらしくないようです。ポケットWi-Fiにも有線接続ができる機種があるので、そういう端末を選べば解決するかもしれません。

 

大きいトラブル:音声が聞こえなくなった!

全員でワークを行った後、ブレイクアウトルームという機能を使い、個別に分かれてセッションをしました。セッションの終わりごろから、相手の音声が聞き取りにくくなり、メインルームに戻ったときは、まったく聞こえなくなりました。

Zoomは文字でメッセージのやり取りもできるので、いただいたアドバイスに従って、ヘッドセットのジャックを抜いてみたり、いったん退出してパソコンを再起動してみたりしましたが、音声は復旧しませんでした。

あまりに進行をさまたげるのは申し訳ないので、おわびとお礼を伝えて、リタイアしました。

準備万端のつもりが、残念な事態になりショックです。

けれど一方では、他の参加者や主催者の方たちからの、あたたかい励ましに感動し、ぜひまた参加したいと思いました。

 

音声トラブルの原因は、おそらくパソコンの性能不足でしょう。

5年以上前に購入したノートパソコンですが、その時点ではまさか、オンラインワークショップに参加することなど想像もしていませんでした。

メールとネット検索&ショッピングができて、Wordで掌編が書ければ充分だったので、必要最低限の機能を備えた、シンプルで低価格のパソコンを選びました。

Zoomをするのに必要な最低ラインはクリアしているものの、推奨ラインには及ばないというスペックです。

 

これはもう、買い替え時なのかもしれない…。

推奨スペックのCPUとRAMを搭載したノートパソコンで、オンラインワークショップに再チャレンジしようと思います。

 

バンジーチャレンジ(創作掌編)

 

 ちょうど十年前のことだ。

 僕は小学生で、塾のない日は近所の児童館に通っていた。

 児童館ではさまざまなイベントに参加したが、そのなかでいちばん記憶に残っているのが「バンジーチャレンジ」という、バンジージャンプVR(バーチャル・リアリティ)体験イベントだった。今でこそ、VRゴーグルが普通に市販され、対応したゲームやコンテンツを気軽に楽しめるようになったけれど、当時はとても希少な体験だったのだ。

 

 仲間と一緒にイベント会場の「わくわくルーム」へ行くと、すでに順番待ちの列ができていた。先頭に立っているのはいつも通り、1番目好きのユースケだ。

 短くて幅が広いシーソーのような装置が、会場の中央に据えられていた。脚部の位置が高くて、傾けるとかなりの急角度になる。イベントを運営していたのは若い男女5~6人のグループで、理系の学生みたいな感じだった。

 イベント開始時刻になり、女の人がユースケを台の上にうつ伏せに寝かせて、ベルトで体のあちこちを固定し始めた。さいごにヘッドギアタイプのVRゴーグルをかぶせるのだが、このゴーグルが手作り感満載で、何本ものケーブルがパソコンにつながっていた。

 

 準備が完了すると、パソコンの画面にバンジージャンパー目線の映像が映し出される。切り立った断崖から見晴らす絶景に、僕たちの目は引きつけられた。

 画面はVRゴーグルと連動しているようで、ユースケが、

「わー、すげー」と歓声をあげた。

 けれど、映像の中でジャンプが始まり、それに合わせて、男の人が2人がかりでが台を水平から下向きに動かしていくと、声は「ひゃ~」という悲鳴に変わり、固定された手足がばたつくのだった。

 バンジーチャレンジはあっという間に終わった。顔を輝かせて駆けもどってきたユースケが、僕たちに報告する。

「迫力あったー。恐いけどおもしろかった!」

 

 僕は今も昔も小心者である。

 チャレンジを待つ列が前に進むにつれ、心臓のドキドキがはげしくなり、さっき行ったばかりのトイレに、また行きたくなった。それでも、恐怖に耐えながらなんとか踏みとどまっているうち、ついに順番が回ってきた。

(ぜったいムリ!)

 心のなかで叫んだ僕は、VRゴーグルをかぶせられた直後、固く目をつぶったのだった。

 耳元のスピーカーから風がゴーゴーと鳴る音が聞こえ、体は勢いよく真っ逆さまになる。それだけでも十分過ぎるほど怖かったけれど……。

 

 装置から解放され、みんなのところへ戻る。特別な体験をして盛り上がる仲間たちの輪のなかにいて、僕は後ろめたい気持ちでいっぱいだった。

 こっそりずるして逃げたことがわかっていたからだ。

 

 

 あれから十年、僕は今アミューズメントパークの広場で、順番待ちの列に並んでいる。今度はバーチャルではなく、リアルのバンジージャンプだ。

(こういうのを、因果応報っていうのかな?)

 胸のうちでつぶやいて、となりに立っている恋人を見ると、彼女の瞳はまぶしいほど輝いていた。

 因果応報。

 大好きになった女の子が、絶叫系アトラクションファンだと知って以来、何度となく浮かんでくる言葉である。

(十年前のあのとき、目をしっかり見開いて対峙しなかったツケが、こんなかたちで回ってきたんじゃないだろうか)

 ジェットコースター、フリーウォール、ウォータースライダー、回転ブランコ……。

 彼女と一緒に数々のアトラクションをこなしながら、僕は心を無にする術を学んだ。

 

 とはいえ、バンジージャンプとなると別次元だ。

 断崖絶壁ではなく鉄骨のジャンプ台で、下にはぶ厚いエアーマット、高さ22メートルは難易度低めらしいけれど、そうはいってもビル7階分に当たる。

(やれやれ……)

 知らず知らずため息をついていたらしい。

 彼女が僕を見上げ、

「ほんとはこういうの好きじゃないのに、いつもつき合わせてごめんね。今日だって、下で写真を撮ってくれるだけでもよかったのに」

 と言うので、決め顔を作って答える。

「今日のバンジーは特別なんだろ? もちろん一緒に飛ぶさ」

 このアトラクションパークでは、毎年1月に「成人式バンジー」というイベントを開催していて、新成人がバンジージャンプを飛べば料金が無料になる。さらに、恋人同士でチャレンジすると、記念プレゼントがもらえるのだ。

「ありがとう。一生の思い出になるわ」

 

 彼女の笑顔を見て、僕は思った。

(こういう因果応報なら、ありだよね)

 

 

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結膜下出血と冬の紫陽花

 

1週間ほど前、なんとなく右目がごろごろしたので鏡を見たら、白目部分が血の色に染まっていました。

結膜下出血(けつまくかしゅっけつ)という症状で、前にもなったことがあるのですが、今回は程度が大きかったので、眼科クリニックへ行きました。

待合室には『ドライアイ』や『飛蚊症』などと並んで、『結膜下出血』の小冊子も置いてありましたから、割合よくある症状なのかもしれません。

 

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気になる結膜下出血│目の病気百科:結膜下出血|目の情報ポータル|参天製薬

 

結膜下出血とは、結膜下の小さい血管が破れて出血したもので、白目部分がべったりと赤く染まります。

多少、目がごろごろしますが、痛みなどはありません。

原因はさまざまで、くしゃみ・せき、過飲酒、月経、水中メガネの絞め過ぎなどでも出血します。結膜下の出血では、眼球内部に血液が入ることはなく視力の低下の心配もありません。

出血は、1~2週間ほどで自然に吸収されることが多いのですが、強いものでは2~3カ月ぐらいかかります。いずれにしても自然に吸収されますので、ほとんどの場合心配はいりません。

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通常の出血ではほとんど痛みやかゆみ、目やになどの症状はともないません。また、目が見えにくくなったり、視野が狭くなったりすることもありません。万一、これらの症状を伴う場合は、必ず眼科医の診察を受けて下さい。

 

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(小さな点状のものから、斑状、時に眼球結膜全体を覆う広範なものもあります。また、血腫をつくることもあります。)

 

眼科クリニックの先生は、丁寧に診察・説明してくださり、

「びっくりされましたよね。でも、心配ありません」と、おっしゃいました。

コンタクトレンズをつけても大丈夫かどうか質問したら、私の場合は問題なしとのご返答でした。ケースバイケースだと思うので、確認できてよかったです。

ステロイド性抗炎症点眼剤(1日3回)を処方され治療は終了、一件落着と思ったのですが……、

予備検査の結果、眼圧が高めだったため、 さらに眼底カメラ検査をしたところ、視神経がやや傷んでいることがわかりました。緑内障かどうか調べるために、1ヶ月後に視野検査する予定です。

 

一難去ってまた一難、という気分でしたが、職場に戻って同僚に話したら、

「よかったじゃない」と言われました。

たしかに、緑内障は自分で早期発見するのが難しい病気だと聞きますから、気づかないままで重症化することを避けられればラッキーですね。

とはいえ、少しがっかりしたので気をまぎらわすため、結膜下出血した右目を自撮りしてみました。けっこう不気味なので小さく貼っておきます。

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⚠クリックすると拡大するのでご注意ください(笑)。

 

 

お目汚しのあとは、去年の初夏、会社帰りに撮った紫陽花の写真を──。

 

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先日、いつも美しい画像と文章で、心を豊かにしてくださるururundo (id:URURUNDO)さんの記事で「柿渋色に枯れた紫陽花の花」のお写真を拝見しました。

 

ururundo.hatenablog.com

 

そこで、初夏に撮ったのと同じ場所へ紫陽花を見にいくと、落葉し立ち枯れたような姿で休眠期に入っていました。

 

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今まで冬の紫陽花を知らずにいた、というより、見ても気づかず素通りしていました。

知らなかったことを知るのは楽しいですが、それを実際に見聞できるとさらに嬉しいです。

 

 

 

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