かきがら掌編帖

数分で読み切れる和風ファンタジー*と、読書・心理・生活雑記のブログです。

動く瞑想 スワイショウ

 

座って呼吸に意識を向ける静坐瞑想は、毎度のように強い眠気が襲ってくるので、ヨガをメインに瞑想を続けてきました。

ヨガは、マインドフルネスストレス低減法というトレーニング・プログラムのなかのひとつ、マインドフルヨーガです。音声ガイドを聴きながらマインドフルヨーガを行うと、その後、15分ほどの静坐瞑想中も眠くなりません。

楽しく続けることを目標に1年が過ぎ、すっかり生活の一部になりました。

 

ところが、なぜか体は硬くなる一方💧

ヨガによって柔軟性が高まるどころか、背骨はガタガタ・ガチガチ、瞑想後に立ちあがるのも一苦労です。あちこちの痛みや不調も続き、やり方を見直したほうがいいのかも?と考え始めました。

背骨がロックバランシングみたいに凸凹して、無理やりバランスをとっている感じなので…。

 

ロックバランシング

 

もしヨガが体の負担になっているのならば、歩く瞑想に変えてみるという手もありましたが、室内で歩行瞑想をしていると、妙に心が沈んでくるので、気が進みませんでした。

私にとって瞑想は、修行ではなく、趣味とか心身の健康法ですから、いわゆる「我慢」は避けたいところです。

 

そんなとき、ふと思い出したのが「スワイショウ」。

私の母は十年以上前に他界していますが、60代から70代にかけて、ご近所のお友だちと練功十八法(れんこうじゅうはちほう)という健康気功体操を習っていました。

そのころ、家でよくやっていたのが、スワイショウという腕振り体操です。

多分、練功十八法の準備運動として教わったのだと思いますが、立ったまま、両腕を前後や左右に振るだけ、という簡単な動きでした。

 

さっそくネットで検索してみると、太極拳やヨガ、整体など、いろいろな専門家の方たちのスワイショウ動画が見つかり、とても参考になりました。

「文献」にも当たりたいと思っていたら、どんぴしゃりのムック本を発見(笑)。

 

『腕を振ると病気が治る!(楽)やせる!』マキノ出版

 

楊 進(よう すすむ)さんという日本健康太極拳協会の理事長が、写真付きで詳しく解説されています。

スワイショウは、太極拳よりはるかに歴史は古く、紀元前から行われてきた気功法の一種で、簡単にできて体に優しい腕振り体操。その健康効果としては──、

  • 意外と重い腕(体重60㎏の人で両腕8㎏)を勢いよく振りながら姿勢を維持するので、下肢(足)や体幹(胴体)の筋肉を使う全身運動になり、代謝が高まるためダイエットできる。
  • 姿勢を整えるので、ひざ痛や腰痛の改善・解消に効果的。
  • リズミカルな運動であるため、セロトニン(精神を安定させる働きをする脳内の神経伝達物質)の分泌が高まり、ストレスに強い心身をつくる。

他にも、高血圧・冷え性・肩こり・首こり・便秘などに対する効果が挙げられていました。

 

さらに、岡田恒良さん(医学博士・なごやかクリニック院長)の、医学的な説明も載っています。

 スワイショウにこのような効果があるのは、背骨(脊椎・せきつい)を波打つように動かしたり、ねじったりする動作があるからです。

 脊椎動物にとって、背骨を動かすことは大きな意味があります。自律神経が背骨から各器官につながっているからです。そのため、背骨やその周囲の筋肉がかたくなると、自律神経にも悪影響が及びます。スワイショウで背骨の周囲の筋肉をほぐして柔軟な背骨をつくると、自律神経のバランスが整うのです。

 さらにスワイショウは、脊髄(せきずい・背骨の中にある神経の束)を動かして、神経機能に重要な役割を果たす脳脊髄液の循環を促します。すると、脳の老廃物がスムーズに取り除かれ、精神が安定するのです。精神面での効果は、規則正しく反復する動きで頭が空っぽになるため、落ち着きやひらめきなどが得やすいともいえます。

 

さて、スワイショウをするときの、基本の決まりは以下の5点になります。

  1. 呼吸は自然に行う。
  2. 腕の力を抜き、ゆったりとしたスピードで腕を振る。
  3. 無理に腕を振り上げたり、体をひねったりしない。自分のできる、気持ちいい範囲内で行う。
  4. ヘルニアなど、整形外科的治療を要する人は行わない。
  5. 腕がぶつかる物がないところで行う。

 

前後のスワイショウ

  • 足は肩幅ぐらいに開き、ひざや股関節の力を緩めて立つ。
  • 腕や肩の力を抜いたまま、両腕を前後に振る。ひざを少し曲げて行うと、筋力強化によい。
  • 視線は常に正面、あごは軽く引く。
  • 前に振るときは、肩の高さくらいまで。振り上げたとき手のひらが上に向くようにすると、より効果的。
  • 後ろに振るときは、無理に振り上げるのではなく、反動で放り投げるようにする。

 

前後のスワイショウ(楊 進 さん)

 

左右のスワイショウ

  • 足は肩幅ぐらいに開き、ひざや股関節の力を緩めて立つ。
  • 腕や肩の力を抜いたまま「視線で体を引っ張る」つもりで、左右に体をひねる。
  • デンデン太鼓を回すイメージで体をひねり、腕は自然に体に巻きつくようにする。
  • ひざが内側に入ると負担がかかるので、ひざとつま先の向きは同じにする。

 

左右のスワイショウ

 

ムック本表紙のモデルさんがしていらっしゃるのが、左右のスワイショウです。

体をひねることで体幹の筋肉がまんべんなく使われ、内臓のマッサージ効果も期待できるという体操ですが、残念ながら私は、以前から痛みがあった左側の股関節に負担を感じ、見合わせることにしました。

 

けれど、この本は『腕を振る』特集なので、スワイショウ以外にもいろいろな体操が紹介されています。

そのなかで、パーソナルトレーナーの鈴木亮司さんが指導している「腕ブラブラ体操」に引きつけられました。

 

腕ブラブラ体操

 

左右のスワイショウに似ていますが、違うのは「両足のかかとをつける」と「顔は正面を向いたまま動かさない」の2つです。

股関節やひざに負担を感じることなく「デンデン太鼓」的な動きも楽しめるという、私にとっていいとこ取りの体操だと思いました。

ちなみに、この「腕ブラブラ体操」は、らくでゆるやかな動きで、大腰筋(上半身と下半身をつなぐ非常に重要なインナーマッスル)を強化できる体操だといいます。

 

 

どれも、1回につき数分程度で、無理なく続けるよう推奨されている体操です。私は、同じ動きだと飽きてくるので、組み合わせながら毎日計15分ほどやっています。

2ヶ月間継続してみて、今の自分に合っている方法だと実感したので、このまま「柔軟な背骨をつくる」ことを目指したいです。

先日、リモートワークのせいで太ったと嘆く身内に、これらの体操を勧めるメールを参考URL付きで送りましたが、悲しいことにスルーされました(^^;)。

私自身に何か具体的な成果が上がってきたら、再度、推したいと思います。