かきがら掌編帖

数分で読み切れる和風ファンタジー*と、読書・心理・生活雑記のブログです。

イシバシ棒(創作掌編)~銀ひげ師匠の魔法帖⑬~

 

 晶太が書道教室へ行くと、銀ひげ師匠はお昼ごはんのサンドイッチを作っているところだった。

 師匠は魔法使いだけれど、ごはんはふつうに手作りする。レパートリーは限られていて、サンドイッチといえば、トマトと卵のサンドイッチだ。

 

 晶太は魔法と書道、両方の弟子なので、学校が休みの日は、よくお昼をいっしょに食べる。手を洗って台所へ行き、なにかお手伝いすることはないかと、あたりを見まわした。

 お皿のわきに、見なれない棒が置いてあった。

 お箸くらいの長さで、ゴボウのような形をしている。

「師匠、これは何ですか?」

 と聞くと、

「イシバシ棒だよ。今から八十年くらい前の魔法使い、五宝(ごぼう)さんという師匠に因んで、弟子たちが作った棒だ。五宝師匠は弟子への伝言メモなどで、サイン代わりに野菜の牛蒡の絵を描いていたそうだから、ゴボウつながりというわけだね」

「ゴボウ師匠なのに、どうして『イシバシ』なんですか?」

 晶太が重ねて聞くと、銀ひげさんはトマトを切りながら笑った。

 

「いい質問だ。それには、いささか理由がある──」

 といって、イシバシ棒というネーミングの由来を話してくれた。

 

 五宝師匠は、たいそう面倒見のいい人で、多くの弟子がいた。普段、煮炊きは内弟子がやっていたが、時には師匠手づから大鍋で煮込みうどんを作り、弟子たちにふるまうこともあった。

 用心深い性格だった五宝師匠は、うどんを入れる前に、必ず全員分のどんぶりを棒で叩いて確かめた。もし、目に見えないひびなどが入っていて、食べている最中に割れでもしたら大変だと心配したのだ。

 三十年以上、どんぶりを叩き続けて、実際に割れたのは一度だけ。

「おお、やはり日頃の用心は無駄ではなかった。可愛い弟子に火傷させずに済んだ」

 と、師匠は喜んだが、

(何度も何度も叩いたせいで、どんぶりは割れてしまったんじゃ……?)

 弟子たちは皆、心のなかで呟いたという。

 

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「──五宝師匠はまさに、石橋を叩いて渡る人だった。少々やり過ぎではあったが、弟子たちはそういう師匠をとても慕っていた。だから、五宝師匠の年忌法要で集まった愛弟子が、師匠を偲び、どんぶりを叩くゴボウ型の棒を作って『イシバシ棒』と名付けたのだよ。棒は大勢いた弟子たちに配られ、多めに作られた分が弟子以外の魔法使いのところへも流通してきたというわけさ」

「それで『イシバシ』なんですね」

「まあ、それに、『ゴボウ棒』では語呂も悪かろう」

 

 晶太はあらためてイシバシ棒を見つめ、ふと浮かんできた疑問を口にした。

「あれ? でも今日のお昼はうどんじゃないから、どんぶりを叩く必要ありませんよね」

「さすが晶太、よく気づいた。実はな、このイシバシ棒でどんぶりを叩くと、必ずといっていいほど、ぱかっとふたつに割れてしまうのだ。どうやら、作った愛弟子も予想しなかった、不思議な力が備わっているらしい」

「どういうことですか?」

「おそらく五宝師匠の遺訓であろう、と弟子たちは考えている。晩年になってからのことだが、師匠はよくおっしゃっていたそうだ。過ぎたるは猶及ばざるが如し、石橋を叩き過ぎて壊してしまったのでは元も子もない。日頃の用心も大事だが、ここぞという時には、思い切って行動してほしい、とね」 

 銀ひげさんは棒を手に取り、感慨深い眼差しで見つめた。

 

「とはいえ、これはこれで、たいそう役に立つ道具なんだよ」

 と言って、茹であがったばかりの卵を皿に置き、イシバシ棒で軽く叩く。

 すると、卵の殻がぱかっときれいに割れたのだった。

 

炊飯器でココアケーキ

 

炊飯器でケーキが作れると聞き、わが家の炊飯器を確認してみたら、ケーキメニュー機能が搭載されていました。

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10代~20代の頃、お菓子作りに凝っていた時期があり、バニラエッセンスやベーキングパウダー、ケーキ型、粉ふるい、ハンドミキサーなど、いろいろ揃えました。

お菓子のレシピ本を愛読し、忠実に作ったつもりでも微妙に失敗していたり、本の完成写真のようじゃなくてがっかりしたことも……、プロが作ってプロが撮った写真なのだから違っていて当然なわけですが、今では笑える思い出です。

 

買い集めた製菓用品も、長い年月と数回の引っ越しを経て、手元に残ったのはステンレスのボールひとつだけ。内側についた無数の細かいキズは、卵白や生クリームをツノが立つまでがんばって泡立てた証しです。

 

ココアケーキを作りたいと思い、ネットで情報を集めました。

材料はシンプルです。

今回は牛乳の代わりに、クリープ大さじ2杯をぬるま湯で溶いたものを使いました。

森永クリープは、ミルクから生まれた成分を原料とした粉末クリームです。私は普段から、コーヒー・紅茶だけではなく、料理でもお世話になっています。(ファンです♡)

 

炊飯器のなべ(内釜)の内側に、食用油を薄く塗っておきます。

ボールに卵を割り入れたら、泡立て器代わりの「みそマドラー」で十分にときほぐし、

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みそマドラー

 

クリープ牛乳、ミルクココア、ホットケーキミックスの順で入れて混ぜます。

けっこうダマが残りましたが、ボールから炊飯器のなべに移し、ケーキモードで45分間。見事に炊き(焼き)上がりました。
 

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 「ケーキは調理終了後すぐに取り出さないと、なべ肌にくっつくことがあります」

と炊飯器の取扱説明書にあったので、すぐに取り出します。

ケーキクーラー(焼きあがったケーキを冷ます網台)の代わりに、ガスコンロのグリルの焼き網を使いました。

ちなみに、グリルで焼き魚をしたことはなく、ほぼトースト専用で使っています。 

 

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粗熱がとれるのを待ち、カットして試食。

ココアの香りが高くて、甘さは控えめです。バターを加えなかったので、やや蒸しケーキ風の食感でした。クリープをもう1~2杯増量してもいいかもしれません。  

 

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 バニラアイスを添えたら、とても相性が良くて美味しかった!

食べきれない分は、個々にラップで包みフリーザーバッグに入れて冷凍しました。室温で解凍すればOKなので、これでしばらくのあいだ休日のおやつが充実します。

 

お菓子作りの秘訣は、レシピ通りの材料、分量、手順を守ること! 
ホットケーキミックスはホットケーキを作るため、炊飯器はご飯を炊くためのもの!
と、思っていたので、ホットケーキミックスや炊飯器を使ってココアケーキを作るのは少し抵抗がありましたが、やってみてよかったです。

クックパッドのような料理レシピのウェブコミュニティは、研究結果発表の場でもあり、創意工夫や試行錯誤のチャレンジ精神にあふれています。公開されたレシピで実際に料理し、画像つきで報告をするフィードバック「つくれぽ」も、すごく参考になります。

 

ホットケーキミックスとココアパウダーが、あと1回分残っているので、いずれまたココアケーキを作るつもりですが、次はどんなふうにしようか、考えるだけでも楽しいです。

実は、気になるレシピがあります。

卵の代わりに、マヨネーズ90g(!)を使うというレシピです。確かに、マヨネーズの主材料は食用油と卵黄なので理にかなっていますし、「つくれぽ」的なコメントでもかなりの高評価でした。

ただ、マヨネーズに含まれる酢と調味料がどれくらい存在を主張してくるのか……、
興味津々です。

 

 

レプリカ(創作掌編)

  

 記念日なので、彼は特別なレストランを予約した。

 店の名は『レプリカーレ』といい、「三ツ星クラスの完全コピー料理」で評判のレストランだ。

 

「嬉しい。前に私が行きたがっていたのを覚えていてくれたのね」

 ドレスアップした彼女が、瞳を輝かせて彼に笑いかける。

「うん、あの頃はまったく予約が取れなかったけれど、ようやくブームも落ち着いてきたみたいだね。それにしても、すごく高級感があふれているのに、お店の人に威圧感がなくてほっとしたよ」

「そうよね。お料理はレプリカでも、インテリアとサービスは本物っていうのが、このお店の売りだから。一流のサービスは、お客に居心地の悪さを感じさせないんですって」

 小声で話していると、サービス係りのギャルソンがメニューを持ってきた。

 

 熟慮の末、彼女が選んだのは「瀬戸内オーベルジュのディナーコース」だった。彼も同じものを注文する。

「僕にはよくわからないんだけど、レプリカ料理ってどういうものなの?」

 すると、情報通の彼女は嬉々として答えた。

「たとえばね、3Dプリンターってあるじゃない。そのお料理版ってところかしら。本物のオリジナル料理の形状や味、香り、食感までコンピューターでデータ化して、それをレプリカ調理マシンで再現するのよ」

「なるほど。家庭用の電子レンジでも、材料さえ入れればボタンひとつで料理してくれるのがある。それの超ハイスペックバージョンということかな」

「ええ。でも、この『レプリカーレ』のお料理は、材料もレプリカなの。フードマテリアルという加工食材を使うから、本物のお肉やお魚を準備しなくていいのね。だから塩分や脂肪分、糖質も控えめで、カロリーは本物の半分以下、とてもヘルシーなのよ」

「えっ! 本物の食材を使わないんじゃ、栄養のほうはどうなってるの?」

 びっくりして聞き返すと、彼女はおかしそうに笑った。

「こういうお店で食事する人は、栄養価より楽しみを求めているんだと思うわ。あ、でも生野菜は工場で栽培した本物だから、ビタミンやミネラルは摂れるわね。それに、フードマテリアルの主成分はプロテインらしいから、きっとたんぱく質も豊富よ」

 

 前菜、スープ、魚料理、肉料理……とコースは順調に進んだ。

「とっても美味しいわ」

「そうだね」

 ワイングラスを傾けながら見つめあう。ワインは本物なので、心地よく酔いが広がっていた。

「この、瀬戸内オーベルジュっていうのは、どこかに本物の店があるんだよね。いつか一緒に行きたいな」

「すてきね。ディナーコースはどれも、各地の人気レストランの看板メニューばかりなのよ。シェフと契約してデータの提供や監修をしてもらっているんですって」

「まるで、名店再現系のカップラーメンみたいだな」

 2人は声をそろえて笑った。

 

 ゆっくりと時間をかけて食事を楽しんだ彼と彼女は、大満足で店を出た。レプリカ料理のため、高級レストランでありながら、比較的リーズナブルな値段だった。

「今日はほんとうにごちそうさま。素敵なお店だったわね」

「うん、また来ようね」

 美しい街並みを、やわらかな風が吹き抜けていく。2人は手をつなぎ、夜風で酔いを醒ますようにそぞろ歩いた。

「学生の時、この辺りでバイトしてたことがあるんだ。久し振りに来たら、すっかり変わっていておどろいたよ。昔は町工場や木造アパートの多い、庶民的なところだったけれど」

「大規模な再開発で、ファッショナブル・エリアに生まれ変わったのね」

「おしゃれなお店ばかりだから、ここじゃ締めのラーメンはムリそうだ」

「あら、フルコースを食べ終わったばかりなのに!」

 彼女が目をみはると、

「どうしてかな? 何となく物足りないんだよね」

 首をひねりながら、彼は答えた。

 

「それなら、いいお店に連れて行ってあげる」

 そう言うと、彼の手を引っぱって歩き始める。間もなく、エリアのはずれにある有人駐車場が見えてきた。

 高級車が並ぶ駐車場の脇に、小さな店が建っていた。あたたかみのある灯りが、レトロなガラスの商品ケースを照らし、白いのれんに大きく「おにぎり」の4文字が見える。

 店の前には客が数組、ソーシャルディスタンスを保ちながら順番を待っていた。

「クチコミで見たの。『おにぎりのちとせ屋』っていうのよ。レストラン帰りに寄る人が、けっこう多いんですって」

 最後尾に並びながら彼女がささやく。

「なるほど、コピーフードの後は、ソウルフードが欲しくなるんだね」

 と、彼はうなずいた。

 
  ※ ※ ※ ※ ※


 閉店時刻になったので、ちとせさんは店の照明を消した。

 待つほどもなく、1台のリムジンが店の前に止まる。売れ残ったおにぎりを手提げに入れ、ドアを開けて待っている運転手に笑顔で挨拶して、後部座席に乗り込んだ。

「お母さん、お疲れ様です。おにぎり、今日もよく売れていたようですが、僕の夜食分は残っているかな?」

 と、息子の圭一が聞く。

「大丈夫よ。5つあるから、一緒にいただきましょうね」

 

 ちとせさんは満ち足りた気持ちで、車のシートに体を沈めた。

 

 昔、若くしてシングルマザーになり、朝早くから夜遅くまで、ひたすらおにぎりを売り続けて、ひとり息子を育てた。

 その仕事が好きだったから、さほど苦労とは思わなかった。

 やがて、成人した息子が事業に成功すると、再開発計画のため移転を迫られていたおにぎり屋をたたみ、孫に囲まれて悠々自適の暮らしを始めたのだったが……。

 孫も成長するにつれ自分の生活がいそがしくなり、「お祖母ちゃん、お祖母ちゃん」と寄ってこなくなる。時間を持て余すようになったちとせさんは、習い事などやってみたものの、たいして面白いと思えず、次第に気持ちがふさぐようになっていった。

 

 そんなある日、圭一がちとせさんをドライブに連れ出したのだ。

「僕たち親子にとってのふるさと、懐かしいあの町を見に行きましょう」

「でも、あそこにはもう、昔の面影はないでしょうに」

「そうでもありません。お母さん、きっとびっくりしますよ」

 息子の言う通りだった。

 広々とした駐車場の脇に建つ『おにぎりのちとせ屋』を見たとき、以前と寸分変わらないその店構えに、ちとせさんは驚きのあまり声もでなかった。

 

「この店は、取り壊されたはず……」

「そうですよ。僕が記憶と写真を元に再現させたんです。でも建物や設備は最新式ですから、昔よりずっと快適ですよ。お母さん、もしよかったら、またこの店でおにぎりを売ってみませんか? サポートするスタッフも雇いますから、お母さんは好きなように、無理のない範囲でやってくれたらいいんです」

「なんだか、お店屋さんごっこみたいね」

「その通りです。楽しんでください」

 目的のない暮らしに飽き飽きしていたちとせさんの心に、喜びとやる気が湧いてきた。

「圭一、ほんとうにありがとう。またこの店に出会えるなんて、信じられないほど嬉しいわ」

 ちとせさんの言葉に、息子は顔をほころばせて笑った。

「気に入ってもらえて良かった。本物そっくりのレプリカを作るのは、うちの会社の主力事業です。近々この通りの向こうで、僕の新しいレストラン『レプリカーレ』がオープンしますから、一緒に車で通えますね」

 

(──あの日のことは忘れられない。いちどに何十歳も若返ったような気がしたものよ。この頃では、クチコミを見たといって来てくださるお客様も増えて、嬉しい限りだわ)

 家へと向かう車のなかで、ちとせさんは幸せをかみしめた。

 

 

自分を思いやる「セルフ・コンパッション」

 

前回の記事を書いてから、毎晩「3分間呼吸空間法」というマインドフルネス瞑想を実践しています。

YouTubeに瞑想を誘導する動画がたくさんあったので、その中から探して、聴きながら行っていたのですが、自分に合わせてカスタマイズしたいという欲が出てきて、結局、原稿をつくり朗読、録音したものを使うことにしました。

とはいえ、実際にその音源でやってみると、さらに手直しをしたくなり、現時点では再録したテイク2版ですが、まだまだ改良の余地がありそうです。

 

「3分間呼吸空間法」以外の、心引かれるマインドフルネス瞑想誘導の動画も、楽しく興味深く視聴しています。

そういう動画のひとつで、セルフ・コンパッション(Self-Compassion)という言葉に出会いました。

セルフ・コンパッションとは「自分に向ける思いやり(慈しみ)」のことで、どんなときも「あるがままの自分」を肯定して受け入れ、身体的・精神的な良好さを得るのに、有効な技法だといわれています。

 

私には「思いやり」とは他者に向けるもの、相互にやり取りするもの、という先入観があるので、自分で自分を思いやるという考え方は馴染みにくかったのですが、セルフ・コンパッションを高めるためのエクササイズのひとつ、「慈悲の瞑想」のフレーズが、とても胸に響きました。

 

元来「慈悲の瞑想」は仏教の瞑想法で、その文言にはいくつかバージョンがあるようですが、私がYouTubeで聴いたものは、シンプルで詩のような趣きでした。

深い呼吸を繰り返しながら、まず、聞こえてくる音や体に触れる衣服などの「感覚」に意識を向け、次に、湧いてくる「感情」、浮かんでくる「思考」を、良い悪いと判断せず、とらわれず、ありのままに観察する瞑想を続けます。

そして、終了の少し前に「慈悲の瞑想」のフレーズが読み上げられるのです。

 

 

 

「慈悲の瞑想」フレーズ

 

私が幸せでありますように

私が安全に、心穏やかに過ごせますように

私の心と体が健康でありますように

私の悩み、苦しみがなくなりますように

私の願いが叶えられますように

私が幸せでありますように

 

私の大切な人が幸せでありますように

私の大切な人が穏やかで安全に過ごせますように

私の大切な人の心と体が健康でありますように

私の大切な人の悩み、苦しみがなくなりますように

私の大切な人の願いが叶えられますように

私の大切な人が幸せでありますように

 

すべての命が幸せでありますように

すべての命が安全でありますように

すべての命の心と体が健康でありますように

すべての命の悩み、苦しみがなくなりますように

すべての命の願いが叶えられますように

すべての命が幸せでありますように

 

私が幸せでありますように

私が幸せでありますように

 

 

精神科医が解き明かす「HSP」

 

HSPとは、Highly Sensitive Person(とても敏感な人)の略語で、ユング派の心理療法家、エレイン・N・アーロン博士が提唱した概念です。

アーロン博士の著書は全米でベストセラーとなり、日本でもHSPという用語が一般に広まりました。

 

ところが、精神医学や臨床心理学の専門家は、この用語や概念を「科学的な精緻さに欠けた議論」とみなして、ほとんど黙殺してきたといいます。

ただ「敏感すぎる」という症状だけでひとくくりにしたのでは、的外れな理解や見当違いのアドバイスを生んでしまう危険がある、というのがその理由の1つでした。すでに精神医学的には、過敏性についての厖大な研究が行われてきており、遺伝子レベルから心理的レベルに至るまで、多くのことがわかってきているからです。

けれど一方、HSPという言葉がこれほど広く受け入れられたということは、専門家に診断や手当てを求めるほどではなくても、過敏さのため生活に支障を感じている人が多いという表れでもあります。

 

『過敏で傷つきやすい人たち~HSPの真実と克服への道~』(岡田尊司幻冬舎新書
は、過敏性ということを医学的な知識や根拠に基づいて理解し、克服への一歩を踏み出してほしい、という著者の願いが込められた本です。

 

過敏で傷つきやすい人たち (幻冬舎新書)

過敏で傷つきやすい人たち (幻冬舎新書)

  • 作者:岡田 尊司
  • 発売日: 2017/07/28
  • メディア: 新書
 

 

 

1.小さいことに苦しむがゆえの、大きな苦しみ(はじめに)

 

 この本を手に取ってくれた方は、きっと過敏なために苦労をされてきた方に違いありません。正直に言うと、私自身、幼い頃から過敏な神経と心に苦しんできた一人です。
 私が精神科医になったことは、間違いなく、そのことと関係していたでしょうし、過敏だからこそ、患者さんのつらさも実感できるという点では、適職に出会えたとも言えるかもしれません。

 

著者の岡田尊司さんは、音に対する感覚の過敏さがあり、道路や線路から可能な限り遠ざかろうして引っ越しを繰り返し、人里離れた山の上のような場所に住んでいたこともあるそうです。

私自身、超満員の通勤電車を避けるため職場の近くへ引っ越した経験があるので、親近感をもちました。

 

 音に対する感覚の過敏さでも、他人からすると滑稽なほどに大騒ぎをし、山の上にまで逃げ惑うという事態を引き起こすわけですが、愛されないことや蔑まれることへの過敏さをもつと、次元の違う痛みと苦しみがもたらされることになります。それはときには、人の命を奪うほどです。
 人が幸福に生きるということにしろ、社会でうまくやっていくということにしろ、本気で考えようとするならば、過敏性というものに対する理解が不可欠なのです。 

 

 

2.「過敏性」とは何か

 

カタナ・ブラウンとウィニー・ダンが作成した「感覚プロファイル」は、感覚の過敏性を評価する方法として、もっとも知られているものの1つで、

①「低登録」②「感覚探究」③「感覚過敏」④「感覚回避」に分類された4領域それぞれが、高いか、平均的か、低いかというばらつき方から、その人の感覚処理における傾向や直面しやすい困難を予測する検査です。

感覚プロファイルの測定形式は、当てはまるものをチェックする質問紙法です。参考として、いくつか質問例が挙げられていました。

 

①低登録:少々の刺激では反応が起きにくく、刺激に対して馴れやすい傾向。過敏とは正反対の特性ともいえるが、実際には両方の傾向が同居することも多い。

 ☑ 相手の言葉が聞き取れず、よく聞き返す。

 ☑ 冗談やギャグが、すぐにわからないときがある。

 ☑ ものによくぶつかったり、つまずいたりする。

 ☑ 顔や手が汚れていても気づかないことがある。

 ☑ 標識や案内板を見落としやすい。

 

②感覚探究:新しい刺激を求め、新奇性を探求する傾向。

 ☑ 香辛料やスパイスをかけるのが好き。

 ☑ 体を動かしたり、ダンスをしたりするのを好む。

 ☑ 地味な色合いより華やかな色彩に惹かれる。

 ☑ 話をしているとき、相手の体に触ってしまう。

 ☑ 人前で注目を浴びるのが好き。

 

③感覚過敏:感覚の鋭敏さという以外に、刺激に対して能動的な回避行動を行わず、甘受する傾向を併せもつ。

 ☑ 香水や芳香剤の強い匂いは苦手。

 ☑ 車や遊園地の乗り物が好きではない。

 ☑ 体に触られるのは嫌だ。

 ☑ 突然大きな音がすると、ひどく驚いてしまう。

 ☑ 周りが騒々しいと集中できない。

 

④感覚回避:不快な感覚刺激を避けようとして行動する傾向。避けるべきものがはっきりしていて、能動的に回避する。

 ☑ なじんだ食べ物しか食べない。

 ☑ 部屋のカーテンは、大抵閉めておく。

 ☑ 他の人から離れた席に座ることが多い。

 ☑ 騒々しい場所や人ごみは避けるようにしている。

 ☑ 忙しいときも、一人の時間をもつようにしている。

なるほど、チェックしてみると、あちこちに当てはまっていました。

そういうばらつきを統計学的に評価する方法です。過敏かどうかの2択ではなく、刺激に対してどのように反応しているのかを整理し、客観的に理解することを目的としているのでしょう。

「私の普通」と「あなたの普通」の違いがわかれば、相互理解にもつながります。

 

 

3.「過敏性」をプロファイルする


過敏性には、大きく2つの種類があると考えられています。1つは感覚過敏など、神経学的なレベルでの過敏性で、もう1つは、人の反応を怖れて顔色を過度に窺ったり、傷つきやすかったり、猜疑心が強かったりする過敏性です。

後者を「心理社会的過敏性」といい、心理的な面と、対人関係など社会的な面の両方をさします。感覚プロファイル検査は、主に前者を評価する方法です。

 

著者が開発した「過敏性プロファイル」では、8つのセクションに分けてチェック項目を設けています。

 

神経学的過敏性

①感覚過敏

➁馴化抵抗…刺激への馴れが生じにくい傾向

心理的社会的過敏性

③愛着不安…愛している存在に見捨てられる、拒否されるといった不安を抱きやすい傾向

➃心の傷…未解決な心の傷を抱えている人は、傷つきやすく回復に時間がかかる

病理的過敏性

⑤身体化…ストレスや不安が自律神経の乱れとなって体の症状として出る

⑥妄想傾向…現実の出来事を被害的に解釈してしまう

その他、過敏性に伴いやすい傾向として

⑦回避傾向

⑧低登録

 

以上の8セクションです。各セクションのスコアからレーダーチャートを作成して分析し、社会適応度や生きづらさ、幸福度との相関係数を出します。そこから、生得的要因と後天的な要因との関与を推測し、対策へとつなげていくのです。

 

 

4.過敏性を克服する

 

最終章では「幸福は自分で手に入れるもの」として、

①肯定的でバランスの良い認知を高めるためのトレーニン

②第三者の視点をもち、振り返りの力を養うエクササイズ

③「安全基地(安心感の拠り所となる存在)」を強化するワーク

など、過敏性を改善し克服するための方法が、数多く挙げられています。

 

私がすぐにでもやってみたいと思ったのは、マインドフルネス認知療法の入門的なプログラム「三分間呼吸空間法」でした。

マインドフルネス認知療法は、禅の考え方と認知療法をミックスした心理療法の1つで、刺激が過負荷になりやすい過敏性に対しても、とても有効な方法だといいます。

通常マインドフルネスは、ワンセットに30分程度の時間をかけて行いますが、この方法は「三分間息抜き瞑想法」とも言える、簡易な呼吸瞑想法です。

 

 まず、背筋を伸ばして座り、軽く目を閉じます。

 最初の一分間は、自分の心の状態を感じます。不安や苦痛、怒り悲しみといったことも、どうにかしようとはせずに、ありのままに感じ、観察するだけです。

 次の一分間は、呼吸に目を向けます。空気が鼻から入ってきて、気管を通り、肺に吸い込まれていくときの感覚に目を向け、味わいます。胸やおなかの動きを感じます。過呼吸になりやすい人や呼吸に過敏な人では、おなかに手を当てると良いでしょう。〈中略〉その場合、ポイントはしっかりと空気を吐き出すことです。十分時間をかけて、ゆっくりと空気を吐き出すのです。深くゆっくりとした呼吸を心がけてください。

 最後の一分間は体の感覚に目を向けます。足先から膝、腿、お尻、おなか、背中、腕、肩、首、顔、頭というように、下から順番に体の状態をスキャンする方法を「ボディ・スキャン」と言います。一分間という時間では、そこまで丁寧にスキャンすることはできませんが、大まかに足からおなか、肩や首、頭と、感じていくといいでしょう。感じながら、体の部位を少し動かすのも良い方法です。リラックス効果が高まります。

 息を吐き出しながら、ゆっくり目を開けて、終了となります。

 

ゲシュタルト療法のワークショップでは、

「あなたは今、どんなことに気づいていますか?」と問いかけ、

「わたしは今、○○○に気づいています」と、一定の時間内で応え続ける「気づきのレッスン」を行います。それに通ずるものを感じました。

毎日15分間の「気づきのレッスン」を推奨されながら挫折した私ですが、再チャレンジする気持ちで「三分間呼吸空間法」に取り組もうと思います。

 

私自身の経験も含めて、これまで三十年ほど精神科医として学んだことや経験したことから、過敏性を乗り越えるために役立ちそうなことは、できるだけ絞り出して伝授したつもりです。ここからは、あなた自身の意思と努力で、さらに歩を進めていってください。

 

著者である岡田尊司さんの「おわりに」の言葉を、 しかと受けとめました。

 

復活の夏(創作掌編)

 

 両親が2人で暮らす家には、今と昔が混在している。

 礼美がひと月ぶりに訪ねると、AI機能を搭載したエアコンの風下に、古い4枚羽根の扇風機が回る居間で、父は動画配信サービスの時代劇特集をネット視聴していた。

 元・企業戦士の父にとって、ゴロテレは定年退職後最大の楽しみらしい。

 ちなみに「ゴロテレ」とは、ゴロンと寝転がってテレビを観ることである。

 

 3人で昼ごはんを食べた後、母の婦人雑誌をながめていた礼美は、いつのまにか居眠りしてしまったようだ。

 夢を見た。

 小学校低学年くらいの女の子が、しくしくと泣いている夢だった。いちご柄の浴衣を着た背中が小さくて、いかにもかわいそうだ。

 なぐさめようとして近づいたとき、ふと、

(これって、のっぺらぼうのパターンかもしれない)

 という思いがよぎり、女の子が振り向く前にあわてて顔をそむけた。

 

 実際に大きく首を振ったのだろう。衝撃で目を覚ますと、母が気づかわしげに聞いてきた。

「あらまあ、首を痛めなかった?」

「だいじょうぶよ……。何か変な夢を見た」

 泣いていた女の子の後ろ姿を思い出し、夢のなかとはいえ不人情なことをしたと、少し後悔する。

 けれど、あのいちご柄の浴衣には、見覚えがあった。

 

「あっ!」

 思わず声をたてたので、母ばかりか父までも礼美に注目した。

(そうか、あれは実際にあったことだ。あの女の子は、私自身だったんだ)

 8歳の夏休み、父の仕事の都合で、家族旅行が急に取り止めとなったことがある。旅先で開催される花火大会を特等席で観覧する予定だったため、母にせがんで縫ってもらったのが、いちご柄の浴衣だったのだ。何日も前から繰り返し「試着」させてもらって、それはそれは楽しみにしていたというのに……。

 会社の上司から電話を受け、父が旅行の中止を告げたときも、礼美はその浴衣を試着中だった。

 がっかりしたあまり泣き出すと、父はひどく苦々しい顔になり、気をつかった母が、

「泣くのはおよしなさい。お父さんはお仕事なんだから、わがまま言っちゃダメよ」

 と、礼美を叱った。

 

(いやいや、子供にとって理不尽以外の何物でもないわ)

 記憶と共に、悲しい気持ちがよみがえり、礼美は恨みがましく両親を見つめた。予行練習の甲斐もなく、本番の舞台を踏めずに敗退したような、やりきれなさを感じる。

 とはいえ──、

「どうしたの、やっぱり首の筋を違えたんじゃない?」

 心配そうにこちらを向いている2人の顔を見て、怒りをそっと胸に納めた。

 もう何十年も前のことだ。礼美自身だってすっかり忘れていたわけで、とっくに時効なのだ。

「ほんとに首は何でもないから。それより、小学生のときお母さんが、いちご柄の浴衣を縫ってくれたじゃない? あれ、どうなったのかなと思って」

 礼美が尋ねると、母は首をかしげた。

「そうねえ、子供の浴衣はすぐサイズが合わなくなるし、誰かにあげちゃったんじゃないかしら」

「そうなんだ……」

 

 すると突然、父が言った。

「いや、その浴衣ならまだある。仏間の桐箪笥の引き出し、確か一番下の段だ」

 礼美はびっくりして目を見張ったが、母の方は落ち着き払ってうなずいている。

「お父さん、終活の一環で、家じゅうの物をチェックしながら、少しずつ断捨離してるのよ」

 初耳である。けれど今は浴衣のことが気になるので、礼美はすぐさま仏間へ向かった。

 

 父が言ったとおりの場所に、なつかしい浴衣はしまわれていた。

 やや色あせて見える小さないちご柄は、昭和レトロ風というか、それなりにいい雰囲気だ。捧げ持つようにして居間へ運ぶと、母が広げた婦人雑誌を指さして微笑んだ。

「礼美ちゃん、あなたこれを見て、昔の浴衣のことを思い出したのね」

 雑誌の見開きページには、

【着なくなった子供の浴衣を簡単リメイク】

 という特集記事が載っていた。

 

 見た覚えのない記事だ。母と違って裁縫に興味がないので、読み飛ばしたに違いない。それでも無意識のうちに影響を受け、夢につながったのだろうか。

「これなんか、礼美ちゃんにいいんじゃない? 型紙なしで作れるんですってよ」
 いくつかあるリメイク・サンプルのなかから、母が勧めたのは『おしゃれなシンプル・エプロン』だった。

「そうね、こういうのあるといいわよね」

 礼美の言葉を聞き、母は嬉しそうにポータブルミシンを出してくる。

 浴衣をほどいて、スチームアイロンでしわを伸ばすと、布地にチャコペンで印をつけて裁っていく。時々雑誌のページを確かめながら、コンピューターミシンのタッチパネルを操作して縫い物をする手元を、礼美は飽きずに見つめていた。

(お母さんの手作り服より、お店で買う服を欲しがるようになったのは、いつ頃からだったかしら?)

 と、考えながら。

 

 途中、母は何度かエプロンを礼美の身体に当て、ぴったりのサイズに調整してくれた。

 やがて、世界に1着だけの、オーダーメイドエプロンが完成した。喜ぶ礼美を見て、母はとても満足そうだ。後片付けを始めながら、

「いい廃物利用ができたわ」と、清々しい顔で言う。

「おいおい、廃物利用はないだろう」

 父が苦笑しながら声をかけた。

 

「それを言うなら、敗者復活だ」  

 

 

鎌倉ディナーと掌編朗読

 

Nickq(id:Nickq)さんの『ニャン東オフ会』に参加しました。

激務のエッセンシャルワーカーであるNickqさんが、貴重な連休でリフレッシュ関東旅行をされるにあたりオフ会を企画、しかもコロナ対策として、大人数を避け1対1のごはんデートというご配慮サシオフです。

千載一遇のチャンスと思いながら申し込みが遅れてしまったのですが、幸運にも「7/23鎌倉ディナー枠」にすべりこむことができました。

 

nickq.hateblo.jp

※Nickqさんのブログは現在限定公開中です。

 

さて、当日は嬉しい巡り合わせでkibikibi(id:kibikibinote)さんも加わり、3人オフ会になりました。

 

www.kibikibinote.com

 

偶然3人そろって左利きだったので、共通の話題で弾みがつき、あっという間に打ち解けることができました。

小町通りを歩きながらお店探し。1軒目は店仕舞いしており、2件目は予約でいっぱいだったのですが、3軒目で見つけたイタリアンレストランが大当たりの良いお店でした。

 

Nickqさんのブログは、思わず引き込まれる面白い記事が多い一方で、シビアな現実や危機一髪の出来事を記したものも少なくありません。それでも、重苦しく感じさせない独特の清明さがあり、文章力とユーモア感覚のなせるわざだと思っていました。

さらに加えて、実際にお会いしてみて気づいたのは、Nickqさんが科学者の目をお持ちだということです。Nickqさんには、宇宙視点の人類学者が地球をフィールドワークしているような、パワフルな自由さがありました。

ブログでもリアルでも、Nickqさんに接すると元気が湧いてきます。たくさんの人たちから慕われているのも納得です。

Nickqさん、「社交辞令じゃありませんよ♡」(笑)。

 

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※Nickqさんからいただいたお土産の神戸金平糖☆゜

 

kibikibiさんは、あたたかくやわらかい雰囲気のなかで、しっかりと核がきらめいている感じの方です。

ブログを読み始めたのは、お会いする1時間ほど前からだったのですが(そしてNickqさんの予測どおり、kibikibiさんのブログが好きになりました)、これからゆっくり読者歴を積み重ねていきたいと思います。

私にはしゃべっているうちに話題が飛んでしまうクセがあります。話が逸れたまま迷走しかかったとき、kibikibiさんが絶妙なタイミングで、やさしく引き戻してくれて、
「とってもうれしかった♡」です。

 

そして、おふたりに伝えておかなければいけないこと。

音に色を感じる共感覚のピアニスト(兼・作曲家)の話をしましたね?

でも名前が出てこなかった……、出てきたのは、長身イケメンという周辺情報だけ……。

オーケストラのメンバーに向かい、自分の楽曲の演奏を、

「ここは紫で、もっとピンクを弱めて」

などと指示したといわれているのは、フランツ・リストでした。

今回に限らずですが、ほんとに固有名詞が思い出せなくて、それどころか「S」か「サ」で始まる名前だったと大嘘をついてしまいました。ごめんなさい(/ω\)。

そしてあのとき、たくさん「S」で始まる音楽家の名前を答えてくださってありがとう。

 

 

さて、先日Nickqさんがブログのなかで、掌編の「ラジオ朗読」を提案してくださいました。kibikibiさんからも賛同コメントをいただきました。

未知でチャレンジングなことには、基本的に二の足を踏み、そのままあきらめてしまうことも多いのですが──、

 

 ↓ まだ記憶に新しいこちらの記事を思い出し、ハードルが下がり始めました。

www.rairi.xyz

 

 ↓ さらにタイミング良く、こちら記事に励まされ、背中を押してもらいました。

harienikki.hatenablog.com

 

らいりさん、チャーコさん、いつもありがとうございます。

 

朗読したのは「イソップの太陽」という3年近く前の掌編で、このブログでの新作第1号だった思い入れがある作品です。

ですが……、

すみません、音が極端に小さいです!(なぜ?どうして?)

Radiotalkは「スマホ1つあれば、誰でも今から番組を持てる!最短5秒で収録スタート」という、『誰でもできる音声配信アプリ』なのですが、Androidスマホの音量設定やマイク設定を見直しても、どうしてもこれ以上の音量で録音できませんでした。

原因と対処法がわかり次第、差し替えるつもりですけれど、今はとりあえずこれで。

  

 

黙読ならば半分くらいの時間で読める掌編です。 
toikimi.hateblo.jp