かきがら掌編帖

数分で読み切れる和風ファンタジー*と、読書・心理・生活雑記のブログです。

お味噌汁にちょい足し

 

ほぼ毎朝、納豆を食べています。平日はお味噌汁に入れて、休日は納豆ごはんでというルーティンです。

お味噌汁のときは、ぐるぐるかき回したプレーンな納豆を直接お椀に入れるのですが、このあいだの連休明け、うっかり「納豆のたれ」とからしを加えてしまってから、今日は平日=納豆味噌汁の日だと気づきました。

やっちまった!どうしたものか……しかし出勤前の行動スケジュールは分刻み、やむを得ずそのままお味噌汁に投入したのでした。

 

お湯で薄めるしかないと思いつつ、おそるおそる味見してみると、意外においしい。これはこれで充分「あり」だったのです。

確かに、味噌仕立ての豚汁に七味唐辛子をかけたりしますし、お味噌汁にからしも合うのかもしれません。

そして、納豆のパックに付いている「たれ」は醤油ベース。醤油と味噌は両方とも大豆からできている発酵調味料なので相性が良く、お味噌汁の味が薄かったときは、塩より醤油を使うほうがいいと、昭和の時代に『暮らしの手帖』で読んだ記憶があります。

そういえば、やはり何十年も前に「お味噌汁にバターを入れると、パン食に合う」という記事を読んで実行したことなど思い出しました。

お味噌汁にちょい足しするとおいしくなる調味料は、けっこうあるようです。

 

【調味料】

  • 醤油:醤油・味噌・出汁ともに、うまみ物質のグルタミン酸が豊富、合わさることで深みが増す。
  • :全体的に味が締まって、塩分控えめでもおいしく感じられ、健康効果も高い。
  • トマトケチャップグルタミン酸が多く、カツオだしに含まれるイノシン酸とうまみの相乗効果を生む。
  • マヨネーズ:まろやかになり、コクがでる。

 

香辛料】

  • からし・黒コショウ・七味唐辛子など:スパイシーさが加わることでおいしく減塩できる。

 

【乳製品】

  • バター・チーズ・牛乳クリーミーな味わいでスープ風に。

 

【オイル】

 

以前、えごま油を高級なごま油だと勘違いして買ってしまったことがあります(えごまはシソ科、ごまはゴマ科でまったく別の植物)。えごま油は加熱調理に適さないのですが、お味噌汁にちょい足しするならOKと知り、無事に使い切ることができました。

他にも、日本酒を入れるとほのかな甘みとコクが加わり、風味がよくなるそうです。

そういえば、ちょい足しではないけれど、子供のころ、母がたまに酒粕入りのお味噌汁を作ってくれましたが、寒い冬にうれしいごちそうでした。

 

 人間という生きものは、苦悩・悲嘆・絶望の最中(さなか)にあっても、そこへ、熱い味噌汁が出て来て一口すすりこみ、

(あ、うまい)

 と、感じるとき、われ知らず微笑が浮かび、生き甲斐をおぼえるようにできている。

 大事なのは、人間の躰にそなわった、その感覚を存続させて行くことだと私はおもう。

 『日曜日の万年筆』池波正太郎~「私の正月」~より

 

 

お味噌汁には、さまざまなアレンジを受けいれるふところの深さがありますが、やはり、

(あ、うまい)と感じて、生き甲斐をおぼえるのは、舌に馴染んだいつものお味噌汁でしょうか。

ちなみにいちばん好きなのは、大根と油揚げのお味噌汁です。