かきがら掌編帖

数分で読み切れる和風ファンタジー*と、読書・心理・生活雑記のブログです。

石の名前と言い伝え

 

天然石、いわゆるパワーストーンに凝っていた時期があります。

ネットショップでビーズ等を購入し、ブログや書籍で情報を集め、鉱物図鑑を愛読するなど、「石三昧」な日々を送っていました。

記憶力の衰えを痛感するようになって久しいというのに、数年前に覚えた石の名前を未だに(それほど)忘れていません。好きなものは別腹といいますが、記憶のほうも同じなのでしょうか。

 

好きな石はたくさんありますが、私にとって特別な石は「セラフィナイト」です。

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深いグリーンの石のなかに、絹糸のような光沢のある模様が見られます。フェザーインクルージョンと呼ばれ、天使の羽を連想させるところから、熾天使セラフィム」に由来する流通名「セラフィナイト」が付きました。

優しく繊細なヒーリングストーンと言われています。

 

私はもともと寝つきが悪く、市販の睡眠改善薬を常用している時もありました。

パワーストーンに興味を持ったのも、心を癒す石の力で、安眠を得られるかもしれないと思ったからです。

ネットショップの画像と説明文から、何となくセラフィナイトに心が引かれ、ブレスレットを購入しました。就寝時に身につけてみたところ、不思議と眠れるようになったのです。

たまたま、石との相性がよかったのか、あるいは、思い込み効果によるものなのか。

どちらにしても結果優先ということで、それ以来セラフィナイトのブレスレットは眠るときの必須アイテムになっています。

 

 

アイオライト」は、ギリシャ語の「スミレ色(ion)」と「石(lithos)」を合わせた言葉です。和名も「菫青石(きんせいせき)」 

この石の特徴は「多色性」にあります。光にかざしながら角度を変えると、紫がかった青色から、灰色がかった黄色まで、違った色合いに見えるのです。

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※左右の画像とも、真ん中の石がアイオライトです。

 

 この多色性ゆえに、昔バイキングが航海中、羅針盤代わりに使用したという伝説のある石です。

そこからアイオライトは、冷静に進むべき道を見つけ、正しい方向へ導く石と言われるようになりました。

言い伝えと石のパワーとがリンクしているところがおもしろく、魅力を感じます。 

 

 

モルダバイト」は、厳密に言えば「石」ではなく「天然ガラス」です。

テクタイト(隕石が落下した際、熱と衝撃により地上の物質が融解して出来た天然ガラスの総称)の一種で、チェコモルダウ川付近で発見されたところから、「モルダバイト」と名付けられました。

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※空中で急速に冷えて固まったため、原石の表面には特有の細かい窪みが見られます。

 

1,450万年前の神秘の石、宇宙と地球のエネルギーが融合した物質として、人智を超えたパワーを秘めていると考えられています。

隕石が御神体になっている神社もありますし、天から飛来してきたものに神秘的な力を感じるのは自然なことだと思います。

 

 

私自身は、セラフィナイト以外で効力を実感したことはなく、ただ、かわいい石たちが身の回りにあって嬉しい、というくらいのスタンスです。

受けている恩恵に気づいていないだけなのかもしれませんが……。

 

他にも、モルダバイトをもとに『ガラスの小石』という掌編を書いたり、「アストロフィライト」という石の美しい和名「星葉石(せいようせき)」にちなんだ名前「星葉(ほしは)」を主人公に付けたりして、楽しんでいます。

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アストロフィライト 英語版ウィキペディア(PD)

 ※放射状に広がる結晶の形と強い金属光沢から、星葉石の名前が付きました。

 

 

 

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