イマジナリーフレンドという言葉を、読者登録させていただいている Emily-Ryu さんのブログ記事で、初めて知りました(ありがとうございます!)
Wikipediaにも載ってました。
イマジナリーフレンド(英: Imaginary friend)とは、「空想の友人」のことであり、心理学、精神医学における現象名の1つである。イマジナリーコンパニオンと呼ばれることや、IFと略されることもある。
多くは本人の空想の中だけに存在する人物であり、空想の中で本人と会話したり、時には視界に擬似的に映し出して遊戯などを行ったりもする。ただ、同じイマジナリーフレンド持ちの者が他人のイマジナリーフレンドが見えたり感じたりする場合もある。
私も「イマジナリーフレンド持ち」だったのですが、いつのまにか存在を感じなくなっていました。対話型思考癖があるのは、その名残りかもしれません。それもかなり「独り言化」していることに、最近になって気づきました。
個人的には、フレンドよりコンパニオン(一緒に行動する仲間、同伴者)のほうが近いように感じます。
E.L.カニグズバーグは、特に好きな児童文学作家のひとりです。アメリカ合衆国における最も優れた児童文学の著者に与えられるニューベリー賞を2度も受賞していて、作品は名作揃いですが、「ぼくと〈ジョージ〉」には特別な思い入れがあります。
- 作者: E.L.カニグズバーグ,E.L. Konigsburg,松永ふみ子
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 2008/01/16
- メディア: 単行本
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内容紹介のことば
これは、12歳の少年ベンの心の中に住んでいる〈ジョージ〉の話である。ベンは幼年期からジョージの存在に気づき、ジョージと話をし、ジョージの意見を聞いてきた。
ところがある事件をきっかけに、ベンとジョージは決裂する……。
この物語は、アメリカでも一部の少年少女たちに特別に受け入れられ、ベン(とジョージ)は自分だという個人的な告白の手紙が、他の作品を圧して多く作者に寄せられたそうです。
カニグズバーグは独特のユーモラスな語り口で「一人のくせにおへそでつながった二重丸みたいなふたご」あるいは「秘密の共生結社」と表現しています。
共生(両方の利益のために一緒に生存する2つの生物の関係)は、「ふたり」にとって特別な、重大な言葉でした。
お互いがいれば充分に幸福だったベンとジョージも、成長の節目を迎えたとき、痛みの伴う再構築を避けられませんでした。それだけに、危機に直面したときの彼らが、信頼に裏打ちされたチームワークを発揮するシーンは、読むたび感動します。
ベンのモデルとなったのは作者の子どものひとり、ポールだということです。
もうひとつは、 イマジナリーフレンドを扱っている児童文学ということで、最近読んだ本です。
- 作者: A.F.ハロルド,エミリーグラヴェット,A.F. Harrold,Emily Gravett,こだまともこ
- 出版社/メーカー: ポプラ社
- 発売日: 2016/10/03
- メディア: 単行本
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内容紹介のことば
ラジャーは、アマンダが想像してつくりだした親友だ。ふたりはいつも一緒に、楽しい時間をすごしていた。
しかしある日、アマンダがいなくなり、ラジャーはひとりぼっちにされてしまう。アマンダに忘れられると、ラジャーはこの世から消えてしまうというのに。
大切な友だちを捜す、奇妙でゆかいな旅がはじまった……!
想像力と活力に満ちたアマンダという女の子と、アマンダにしか見えない友だち、ラジャー。「ぼくが消えないうちに」のぼくは、ラジャーのことで、物語の大半が彼の視点で描かれています。イマジナリーフレンドは「見えないお友だち」と呼ばれていて、ラジャーのように普通の子どものすがたをしているものだけではなく、恐竜や等身大のテディベア、とんがり帽子のこびと、年老いた牧羊犬、さらには、手足のついた蓄音機など、バラエティに富んでいます。
すべて、想像力豊かな子どもたちの頭のなかで生まれ、忘れられると消えてしまう存在なのです。
アマンダは好奇心が強く、いつも質問しているけれど、必ずしも答えてもらえるわけではありません。そんなとき彼女は「自分で答えをつくる」のです。
ここのところで、私は一瞬、ひっかかってしまいました。「つくる」には、創造だけではなく、捏造も入り込んできてしまうのでは、と気になったのです。捏造は世の中にあふれています。
ですが、すぐに思い直しました。創造したものとは共に生きていけるけれど、捏造したものではそういうわけにはいかない。
ラジャーに対して語られる、
「質問に対する答えのように、その子(アマンダ)にはおまえ(ラジャー)という答えしかなかったのさ」
という言葉が、強く印象に残りました。
作者のA.F.ハロルドは英国の詩人で、「見えないお友だち」について質問されると、自分にはいなかったと答えていました。ところがある日、お兄さんから「おまえには、たしかにいたよ」と言われたそうです。