かきがら掌編帖

数分で読み切れる和風ファンタジー*と、読書・心理・生活雑記のブログです。

入浴剤と季節感

 

これまでずっと、気温の高い時期はシャワー浴で済ませていましたが、昨秋、同い年の友人と会ったとき、真夏でも湯船に浸かるほうがいいよ!と強く勧められたので、今年は暑くなっても「全身浴」をしています。

 

すると、入浴剤に季節を感じるようになりました。

もともと入浴剤が好きで、天然岩塩とハーブの精油エッセンシャルオイル)から作られた“高級”バスソルトを、もったいながってちびちび使っていたのですが、いつからか、温泉気分が満喫できるにごり湯系の入浴剤にシフト。日替わりでいろいろな種類が楽しめる、1回量分包の詰め合わせ・アソートセット『日本の名湯:にごり湯の醍醐味』をリピートしてきました。

季節は春から初夏へ、例年ならばシャワーに切り替えるタイミングです。

しかし、そのまま全身浴を続けていたところ、透明タイプのお湯にも心ひかれるようになったので、にごり・透明タイプ混合セットの日本の名湯シリーズ『至福の贅沢』『通のこだわり』にチェンジしました。(ネーミングがどれもすばらしい)

 

さらに季節が進み、じめじめした梅雨時になると、入浴剤にも清涼感が欲しくなります。

「入れた瞬間、シュワッと香る」という『アロマスパークリングアソートコレクション』の、ラベンダーやジャスミン、ゆずなどを詰め合わせた定番セットのほか、『白神山地』(白神雪ん子りんごの香りなど4種類)、『屋久島』(屋久杉の香りなど4種類)といった世界自然遺産テーマのアソートコレクションで充実したバスタイムを過ごしました。

 

残暑厳しき折の今、さらなる爽快感を求めた結果、メントール(清涼成分)を配合したクールタイプのタブレット発泡入浴剤、『オリエンタルスパ』と『フラワースプラッシュ』を使っています。

 

 

左から右へ、季節が移っていく感じ。1種類1個で並べたので、実際のストック数はこの数倍になります。

 

記事を書いているあいだに『エクストラクールミントの香り』も気になり始めました。こちらは1種類×12錠入りでアソートタイプではないのですが、ほかのクール系入浴剤と交互に使えばいいと考え、ドラッグストアへ買いに行きました。

すると、かつて愛用していた“高級”バスソルトのスパークリングタブレット(2021年9月発売)を発見し、思わず同時購入。

単価が『エクストラクールミント』の8.67倍という贅沢な入浴剤ですから、お正月や誕生日といった特別な日に使いたいと思っております。

 



耳栓のある暮らし

 

昔からあまり寝つきがよくなかったため、眠るときには耳栓をする習慣がつきました。

ここ何年かお世話になっているのは、無印良品のポリウレタン製耳栓です。

 

無印良品 耳栓(ケース付・日本製)

 

最近知りましたが、耳栓の性能を表す指標として「遮音値」というものがあるそうです。NRR(北アメリカを中心とした規格)やSNR欧州連合を中心とした規格)などで表されていて、数値の単位はdB(デシベル)。

無印良品の耳栓に遮音値は表記されていませんが、同じような商品を見ると、NRR値が30dBくらいでした。

これがどれくらいの遮音性能かといえば、

  騒音レベル
  80dB
…地下鉄・電車の車内など
 △30dB…遮音値
 ──────────────────────
  50dB…静かなオフィス

つまり、地下鉄の車内で、遮音値30dBの耳栓をすれば、静かなオフィスほどに騒音レベルが下がるというわけです。

 

さて──、

感染症対策の一環として、私の職場でも窓を開けての換気が行われるようになりました。

会社のビルは交通量の多い大通りに面しており、日に何度も緊急車両がサイレンを鳴らして通り過ぎます。さらに近隣のあちらこちらで建設工事が行われているため、外から入ってくる騒音は、50dBをはるかに超えているはずです。

要するに苦笑いレベルでうるさくて、仕方のないこととはいえ、かなりストレスを感じていました。

とはいっても、遮音性の高いポリウレタン製耳栓では通常の会話が困難になるので、職場には不向きです。

 

そんな折、ときどき訪問しているブログで「耳より」な記事を見つけました。

ブログの管理者は音過敏のある方なのですが、主治医から騒音域だけカットしてくれて会話は普通に聞こえるという耳栓を紹介され、半年ほど使ってみた結果「おおむね満足して愛用中」だとのこと。

その耳栓とは、WESTONE TRUユニバーサルイヤープラグ。

 

WESTONE TRUユニバーサルイヤープラグレクリエーショナル

 

アメリカで60年近い歴史を持つヒアリングケアメーカーの製品です。耳栓本体2ペア(L/Mサイズ)入りで、ノイズカット20dBのフィルター1組がついています。

Lサイズはちょっと私の耳には大きかったので、Mサイズを試したところ、音がこもって聞こえる感じはありますが、会話や電話応対など特に問題なくできました。

欲を言えば、色がもう少し目立たなくて、サイズも小さめのほうがいいかなと思い、ネット上で物色してみました。

 

次に購入したのは、Meilleur 聴覚保護具クオリネ(グリーン)。

材質はABS・シリコーン、フリーサイズで、カラーバリエーションもグリーン・ブルー・ピンクと3色あり、遮音値(SNR)は20dB。スウェーデン製です。

 

クオリネ グリーン


さすが北欧、デザインがかわいくて、ケースも使いやすかったのですが……、残念ながらサイズが合いませんでした。

品物が品物だけに、お店であれこれ試着できないのが、悩ましいところです。

 

めげずに検索を続けて、次に選んだのが、Crescendo イヤープロテクターMusic 20。

耳栓本体2ペア(L/Mサイズ)とフィルター1組のセットは、TRUユニバーサルイヤープラグと同じですが、Crescendoの方はサイズが気持ち小さめ、材質(熱可塑性エラストマー)は柔らかめで、Lサイズでも違和感なく使用できました。

色は目立ちにくい半透明の乳白色。私にとって理想的な耳栓です。

 

Crescendo イヤープロテクターMusic 20

 

メーカーの会社は、オランダのデルフト工科大学に私設された研究室で、聴覚保護や音響環境の実験から最終テストを行っているとのこと。

「Music 20」は、遮音値20dBの一般オーディエンス用ですが、その他にもプロのミュージシャン用や、キッズ用、睡眠用、ガーデニング用など、20種類以上のイヤープロテクターを生産しています。

使用感を確認したかったので、まずはいちばん低価格だった「Music 20」を選びました。

その後、遮音値15dBのオフィス用「Office 15」も追加購入。

 

Crescendo イヤープロテクターOffice 15

 

どちらも2,000円前後以上とけっこう高額ですけれど、水洗いできるので、ポリウレタン製の耳栓より長く使えそうです。遮音値15dBと20dBの差は、正直なところよくわかりませんが、状況に応じて使い分けていきたいと思います。

 

黒いフィルターがオフィス用

 

今回、参考として多くの商品レビューを読みましたが、聴覚過敏で困っている人がたくさんいることに驚きました。

聴覚が敏感なため神経が疲れるというレベルを超え、大きな音に動揺や苦痛を感じたり、また「ミソフォニア(音嫌悪症)」といって、咀嚼音や足音、キーボードのタイピング音など、特定の音に強烈な拒否反応が起きてしまう医学的な障害を持つ人も少なくありませんでした。それが原因で、家族といっしょに食事ができないとか、職場で仕事が手に付かないといった、人生に支障をきたすような症状です。

かつては、ガマンするか逃げ出すかしか選択肢がなかった人も、ハイテク耳栓の登場で、聴覚を保護しながら状況に適応できるようになったという現状が、商品レビューからも伝わってきました。

大きな仕事をしている小さな耳栓、私も感謝して使います。

 

 

『やさしいフォーカシング』

 

ゲシュタルト療法のニュースレターで、フォーカシングとのコラボワークショップのお知らせを見て、参加はしなかったのですが、フォーカシングという心理療法に興味をひかれました。

 

『やさしいフォーカシング──自分でできるこころの処方』
アン・ワイザー・コーネル〔著〕/大澤美枝子・日笠摩子〔共訳〕
コスモスライブラリー(1999年)

 

フォーカシングは、アメリカの哲学者・臨床心理学者ユージン・ジェンドリン(1926-2017)が創始した心理療法ですが、その成り立ちがおもしろいです。

ジェンドリンは1960年代の初め、「なぜ、心理療法で効果がある人とない人がいるのか」という疑問から、実証的な研究を始めました。

まことにもっともな疑問だと思います。

同僚の研究者といっしょに、何百という心理療法場面の録音テープを検討し、クライエント(セラピーを受ける人)に有効な変化があった事例となかった事例の2つのグループに分け、成功と失敗の違いを決定づけるものが何かを調べました。

その結果、うまくいったセラピーとそうでなかったセラピーには明らかな違いがあり、どのテープでも、最初の1~2回の面接を聴いただけで、セラピーの成功を予測できるという、驚くべき発見をしたのです。

 

成功と失敗を決定づける違いとは「クライエントの話し方」でした。

 彼らが発見したのは、こういうことだったのです。治療が成功したクライエントは、面接のどこかで、話し方がゆっくりになって、言葉の歯切れが悪くなり、その時に感じていることを言い表す言葉を探し始めます。《中略》

 つまり、成功したセラピーのクライエントたちは、面接の過程で直接からだで感じている、漠然とした、言葉では表現しにくい身体的な気づきがあったのです。それとは逆に、セラピーがうまくいかなかったクライエントたちは、面接の間ずっと言いよどむことなくすらすらと話しています。

「頭で考えるレベル」にとどまっていて、からだで感じてみることがありません。最初はどう言っていいかわからないようなことをまず直接からだで感じてみるということがないのです。問題について、いくらいろいろと分析しても、説明しても、考えても、あるいは涙を流しても、セラピーは結局はうまくいきませんでした。

 ~第1章 フォーカシングって何 フォーカシングの発見

 

ジェンドリンは、この「漠然とした、言葉では表現しにくい身体的な気づき」を、

「フェルトセンス(感じられた意味感覚)」と命名しました。

フェルトセンスに焦点を当て、的確なことばやイメージで表現することができたとき、「ああ、そうだ」という深い納得感とともに、行き詰っていた状態から解放され、前に進める感覚をからだで感じる、これがフォーカシングのプロセスです。

 

著者アン・ワイザー・コーネルさんご自身の、書きたくても書けない状態から抜け出すために行なった複数回のセッションが、例として紹介されていました。

【1回目】まず、からだの内側に注意を向けて、書けないことについてのフェルトセンスを感じようとする。:胸に暗闇の感じ、隠れている感じ

 

【2回目】今度も暗闇の感じと隠れている感じから始まる。もう少し何かありそう。数分後、微妙な違いを言葉にすることができた。:ただ隠れているのではなく、頭を引っ込めている感じ

「もし頭を上げたら、何かが私をつかまえにくる。書くことは頭を上げることで、私の一部が、そんなことをしたら大変なことが起こると怖がっているのです」

 

【3回目】頭を上げることを怖がっている感じから始まり、自分が射撃場にいるイメージが出てくる。:姿を見せると狙い撃ちされてしまう

「狙い撃ちする」という言葉がとても重要な感じがしました。その言葉が出てきた時、からだの内側が変わるのを感じました。熱いものが胸に拡がってきました。自分でその言葉を何回か言ってみました。「狙い撃ちする、狙い撃ちする。」すると、突然、皮肉な表情を浮かべた父の顔のイメージが浮かんできたのです。そして、父の声で、「自分を何様だと思っているんだ」という言葉が聞こえてきました。

 いろいろなことがいちどきにわかって、洪水のようにからだとこころに押し寄せてきました。父が私をどんなに嫌味な言い方で狙い撃ちしたかを思い出しました。特に、のびのびと自分のことを表現すると、父は「ひけらかす」と言いました。感じやすい創造的な部分は、そういう攻撃を怖がって、自分を守るために隠れてしまったのです。

 このセッションが終わって目を開けた時、自分が変わったと感じました。からだ全体が新しく生まれ変わったように新鮮で自由な感じでした。何が変わろうとしているのかはわかりせんでしたが、何かが変わったのはわかりました。そこには、まったく新しい世界が開けていました。

 そして、私の書き方は変わりました。完全に書きやすくなったというわけではありませんが、ずっと楽になりました。書くことを邪魔している部分と話し合うことを、フォーカシングは手伝ってくれたのです。話し合うという行為だけで、すなわち、その部分が本当にどう感じているかを聴いてあげたのです。

 ~第7章 フォーカシングを使いましょう 作家が書けない状態から脱する

 

これは大きな変化を生んだセッションの事例ですが、フォーカシングはもっと日常的な場面にも使えます。単独で行うこともできますし、フォーカサー(フォーカシングをする人)とリスナー(フォーカサーを援助する人)に分かれて2人で行うこともできます。また、フォーカサーとリスナーをかわりばんこにすることもできるのです。

 

フォーカシングについて調べるうち、ある体験を思い出しました。

私は去年の10月に心理セラピストの大鶴和江さんの講演会に参加してから、自分自身のダークな部分をノートに書き出すというワークをほそぼそと続けています。

 

toikimi.hateblo.jp

 

自分のなかにあるけれど認めたくない嫌な感情や感覚を、ノートに書いて言語化することで、抑圧していた感情を解放し、ありのままの自分を受け入れるための作業です。

かなり痛いワークですが、続けているうちに、だんだんとおもしろくなってきました。

書き始めはいつも、「むかつく!」とか「ふざけんなー!!!」など罵詈雑言のオンパレードです。まさになぐり書きで、字も大きく、ひらがな・カタカナ・びっくりマークが中心になります。

けれど、ひとしきり書きなぐったあとに、ふと手が止まる瞬間が訪れます。胸のなかに、もやもやとしたかたまりを感じ、「それ」を表す言葉を探し始めるのです。ぴたりと当てはまる言葉を思いついたときは、けっこう嬉しかったりします。

その言葉がたとえば「屈辱」だったとすれば、スマホで漢字を確かめて、ノートにきちんと書き写します。そうやって書いた文字を見つめていると、ほっとゆるむ感じがあり、なんとなく気分が軽くなるのです。

 

本を読んでフォーカシングへの興味が深まったので、何度かオンラインのワークショップに参加してみました。実際にセッションを体験してみると、ゲシュタルト療法やマインドフルネスに通じるところも多く、もっと知りたくなりました。

私にとって今年はフォーカシングイヤーになりそうです。

 

 

クリスタルボウルで音浴

 

昔から頭の中が雑念でいっぱいなため、自分には向いていないと敬遠していた瞑想。

一念発起して取り組んだのは1年と10ヶ月前でした。

 

マインドフルネスの音声ガイド付き瞑想から始めて、坐禅のような静坐瞑想やヨーガ瞑想など、かなりがんばって続けたものの行き詰まり、今はスワイショウをメインに動く瞑想を実践中です。

朝はココイマさんのマインドフルネス瞑想15分、夕方には動く瞑想ミックスを20数分というメニューで、このくらいが無理なく続けられる上限だと思っています。

いろいろ試行錯誤しながら継続してきた結果…、あいかわらず雑念だらけです(^^;)。

ですが、確かにストレスは低減しました。体感としては33%OFFくらいでしょうか。ストレスが軽くなった分、心のエネルギーに余力が出てきたのか、新しい物事に対して興味が湧くようにもなりました。

 

耳鳴りがあるので、瞑想中は「音」を流しています。

耳鳴りに効果があるというホワイトノイズの「滝の音」や、はるか昔チベットの僧侶が瞑想の際に奏でたと伝えられる「シンギングボウル」など、YouTubeで見つけて活用していました。

ある日、YouTubeの「あなたへのおすすめ」で「クリスタルボウル」の演奏を推され、天然石好きのため「クリスタル」というワードに反応して視聴してみたところ、とてもよかったので、この頃はクリスタルボウル一択です。

クリスタルボウルは、粉砕した水晶を高温で溶かして成形した円筒形の楽器で、専用のバチを用いて演奏します。

 

画像提供元:https://crystal-soundbath.com/


クリスタルボウルのやさしく澄んだ響き、余韻が重なり合って、波のようにゆらぎながら広がっていく演奏は、聴くというより、音に包まれている、浸っているという感覚になります。

 

私がYouTubeで視聴しているのは、Magaliさんという奏者の演奏ですが、定期的に演奏会を開催しておられると知り、先日行ってきました。

会場は明るくてきれいな専用スタジオで、広すぎず狭すぎない心地のよい空間です。演奏は、マットに横になって超・リラックスした状態で聴くため、参加者ひとりひとりのスペースがゆったりと確保されていました。

緊張しやすい性格ゆえにドキドキはしましたけれど、ボウルの響きに耳を傾けているうち、しだいに落ち着いて呼吸が深くなっていきます。約1時間の演奏中、日常を離れた時を過ごすことができました。

 

目を開けたり閉じたりして聞いていたのですが、途中で不思議なことに気づきました。

私が横たわっている真上辺りの天井に、透き通った薄緑色の模様が、たゆたうように浮かんで見えたのです。

水面に光が反射してできる、不規則な網目状の模様に似ていました。調べてみると「集光模様」というらしいです。

 

集光模様

幻影? それとも演出?

でも、同じ場所にずっと見えているから幻影っぽくないし、かといって演出にしては淡すぎる感じ──、ひょっとして共感覚というものですか!?

たちまち、頭の中は雑念でいっぱい(笑)。

共感覚とは、「文字や数字に色が付いて見えたり、音を聞くと色が見えたりするなど、通常の感覚に加えて別の感覚が無意識に引き起こされる現象(関西学院大学・長田典子教授)」です。

典型的な共感覚者は稀ですが、赤ちゃんの頃は誰でも共感覚を持っているという説もあり、一般の人にも共感覚と類似する現象がみられることは珍しくないようなので、もしかすると今回がそうだったのかもしれません。

演奏が終わったあと、あらためて見上げると、もとの真っ白な天井に戻っていました。

 

こちらのイベントでは、演奏の前後にゆっくりと時間をとる流れになっています。他の参加者の方たちが、思い思いに余韻を味わっていらっしゃるのに、

「プロジェクターを使った演出をなさっていましたか?」

などと質問するのも無粋な気がしたので、そのままおとなしく帰ってきました。

どちらにしても、とても楽しい体験だったことは間違いありません。

 

↓↓↓ 毎日のようにお世話になっている「クリスタルボウルの音だけ3時間」と「ツインレイ」です。もともと私は音に対して神経質なところがあったのですが、突発性難聴からメニエール病を経て、聞こえ方が不安定になって以来、周りの音にストレスを感じやすくなりました。一定の穏やかな演奏を3時間も流していられるのはありがたいです。「ツインレイ」は軽やかな調和を感じる7分くらいの演奏。幸せな気持ちになります。

 

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モルダバイトのオーダーメイドリング

 

2ヶ月ほど前、ネットショップでスフェーンという希少石のペンダントトップを購入しました。

衝動買いでしたけれど、届いた実物と対面してとても気に入り、うきうきしながら手持ちのネックレスチェーンに通そうとすると…、通らない。

ペンダントトップのチェーンを通す部分を「バチカン」、チェーンの留め具を「プレート(あるいは、板ダルマ)」といいますが、バチカンの内径よりプレートの幅が大きかったのです。

 

 

他のチェーンで試みても、同様の結果です。さて、困った。

そういえば、10年近く前にも同じことがありました(進歩なし💧)。そのときは、たまたま近所に知っているお店があり、相談してみたら、バチカンに通るようプレートの端を削ってくれました。ただし本業外のサービスだったので、長年ご無沙汰している現在、またお願いするのはちょっと無理な感じです。

 

ペンダントトップを購入したネットショップでは、別売りのチェーンも販売されています。その商品ならプレートのサイズは間違いないでしょうし、自分が持っていないカットボールチェーンという種類だったので「買おうかな?」という気になりかけました。

しかし、カットボールチェーンの特徴として説明されているのが、キラキラと輝いて美しい反面、他のチェーンと比べて強度はやや低め、というのが気になる点です。そこで、切れてしまった場合どうすればいいのか検索してみると、チェーン切れの修理を扱うお店がいくつも見つかりました。

 

そのなかに、ホームページの内容がしっかりしてわかりやすく、クチコミの評価も高いジュエリーリフォーム・修理の専門工房がありました。

店舗情報を見ると、自宅から3駅ほどの行きやすい場所なので、もしカットボールチェーンが切れてしまったとしても、こちらに持ち込めばいい──、

ん?むしろ、プレートの件をこそ依頼すればいいのでは!と思い至りました。

 

さっそくLINEで問い合わせたうえ、お店を訪ねて現物を見せたところ、3つの修理方法を提案してもらいました。

  1. プレートをチェーンからいったんはずし、ペンダントトップを通してからロウ付けしてつなぎ直す。※ただし、チェーンの使い回しはできなくなる。
  2. プレートを小さなサイズのものと付け替える。
  3. ペンダントトップのバチカンをもっと大きなものにデザインリフォームする。

ちなみに、下へいくほど、加工代金は高くなります。

私は、2番目のプレート交換を選びました。

 

 

これで問題はめでたく解決したわけですが、お店のホームページに載っている、豊富なジュエリーリフォームの実例を眺めているうち、あることを思い出しました。

ひとつは、昔々、叔母からもらった金の指輪です。

かまぼこ型と呼ばれる甲丸リングで、サイズが合わないため、ずっと仕舞い込んだままになっています。

もうひとつは、昔、天然石をあれこれ買い集めていた頃に、あてもなく購入したモルダバイトのルース。

モルダバイトはおよそ1,450万年前、巨大な隕石が衝突した際に生成されたといわれる、美しい緑色の天然ガラスです。もともと色付きガラスが好きなので、モルダバイトのワインボトルのような、深いグリーンに惹かれました。

宇宙と地球のエネルギーが融合した物質として、強力なパワーを感じ取る愛好者も多いようです。残念ながら私にその感知能力はありませんが、こういうおもしろい物語を持っている石は大好きです。

 

プレート交換を頼んだお店の工房では、伝統的な鍛造製作法を取り入れており、形見の指輪などの地金を溶かして再利用することができるといいます。

そこで、長らく「秘蔵」してきたふたつの品を合体させて、日々身に着けられる指輪に再生してもらいました。

 

 

指輪のオーダーメイドは初めてなので、いろいろ心配しましたが、完成品を手にしたときは感無量でした。

それなのに一方では、「無駄遣い」とか「もったいない」という言葉が頭をよぎってしまうのが、貧乏性の哀しいところ…。ですがまぁ、この2~3年ありえないようなストレスにさらされてきた心身にとって、こういう「遊び」も必要だったんだ!と自分自身を説得中です(笑)。

 

 

腱鞘炎の注射(2回目)

 

先週の木曜日、朝起きてすぐ、右手親指の付け根に痛みを覚え、それが腱鞘炎独特の強い疼痛だったので、ズーンと音が聞こえそうなほど暗い気分になりました。

数年前に同様の痛み(しかも両手)を5ヶ月間も我慢したあげく、重い腰を上げて専門のクリニックを探し、ステロイドの腱鞘内注射を受けたこと、さらに、半年後に再発してしまい2回目の注射を打ちに行ったことを思い出します。

まず考えたのは、

「2回目の注射をしたのは確か左手だけだったから、右手ならもう1回打てるはず」でした。

ステロイドの注射には腱を弱くする副作用があるため、症状を繰り返す場合は手術をすすめられます。私も先生から、次に再発したら手術も考慮したほうがいいと言われていました。

 

とりあえずその日は、ロキソニンゲルというジェルタイプの痛み止めを買い、仕事中にも何度か塗って様子を見たものの、症状は治まりそうにありません。

帰宅してから前回の領収書を探してみましたが見当たらず、注射か手術かの確信はないまま、翌日クリニックへ行ったところ、やはり右手の治療は最初の1回目だけだったようで、無事ステロイド注射を打ってもらいました。

 

 

不思議なことに、私は手のひらが母親似で、手の甲は父親に似ていると感じます。

だからといって、両親の手が互いに似ていたわけではないのですが……。

 

今日の時点で痛みはずいぶん軽減し、日常生活に支障をきたすこともなくなりました。次の受診は、注射から2週間後にあたる来週の金曜日ですが、そのとき覚えていたら、腱鞘炎は温めるの冷やすのと、どちらがいいか聞いてみようと思っています。

(【追記】先生に質問してみたら「どちらもいいとは言えず、効果があるのは注射と手術だけ」とのことでした。なるほど(^^;))

 

今回、自分のブログに「腱鞘炎」と入力して検索したら、1回目のみならず2回目の注射の事も、けっこう詳しく書いてありました。こちらを先にチェックしていれば、古い領収書を探す手間がはぶけたのに。

なにはともあれ、この先「腱鞘炎の手術」なんて記事を書かなくてすむよう願うばかりです。

 

「カラーン」と音がして

 

3/22 職場で指輪を紛失:

仕事中ふと気づくと、指輪をしていませんでした。小指につけるピンキーリングです。私は手を洗うとき指輪をはずす派なので、たまに置き忘れることがあります。そこで、思いつく場所は全部、しまいにはゴミ箱の中まで探したのですが、見つかりません。

とても気に入っている指輪です。あまり物を失くさないほうなのに、よりによって一番のお気に入りを紛失するとは…_| ̄|○

そのうち出てくるかもしれないと期待しつつ2日たち3日たち──あきらめムードが漂うなか、ネットのジュエリーショップを見始めました。紛失したのと同じ指輪もまだ販売されていましたが、画像を見ると心が沈んで、再購入する気にはなれません。

後悔先に立たずとはいえ、今後は職場で指輪をはずすとき、置き場所を定めておこうと決めました。

 

4/1 スフェーンのリングを発注:

ネット上でウィンドウショッピングをしているうち、「これ!」というものが見つかりました。

スフェーンという希少石のシンプルなリングです。

スフェーンは、鉱物の硬さを表すモース硬度が5~5.5と低めですが、「輝き」に関連する屈折率や分散度はダイヤモンドクラスの石といわれています。

ちなみに、ダイヤモンドはモース硬度最高値の10「地球上の鉱物の中で最も硬い」で、スフェーンの5~5.5は「ナイフで傷をつけることができるかできないか」くらい。

色は黄緑、私の好きな色のひとつです。

第一印象でほぼ心は決まっていたものの、あれこれと楽しく目移りしながら、さんざん迷った末に購入ボタンを押しました。

受注後に作製する品なので、手元に届くのは2~3週間後です。ショップのホームページ画像をながめては、到着を指折り数えて待っていました。

 

4/18 紛失した指輪が出現:

そんなある日、仕事でよく使うスチール書庫を開けたとき、

「カラーン」という小さな金属音がしました。

「カラーン」と音がして

 

音のした方を見ると、開いた扉の内側、底辺部の溝に金色の輪が落ちています。

何と、紛失していたピンキーリングでした。まさかまさかの失せ物現るです。

発見というより、出現という言葉がぴったりで、たった今、異空間から落ちてきたみたいな感じ。まさに、目を疑うとはこのことでした。

推測するに、重い書類ファイルをまとめて運ぶ時にでも、無意識のうちに指輪をはずして、仕切り棚の上あたりに載せたのでしょう。まったく記憶に残っていないのですが…。

毎日のように開け閉めする書庫ですから、振動で少しずつ棚の端へ動いていき、その瞬間に落ちて、音で存在を知らせてくれたわけです。

 

4/20 スフェーン・リング受け取り:

失せ物現るの2日後、スフェーンの指輪が届きました。

しなくていい散財をしてしまった感はあるものの、やはり嬉しさのほうが大きいです。

わずか3mmの石ですが、燦然と煌めいています。すっかり見とれてしまいました。

 

4/22 スフェーン・ペンダントトップ発注:

リングの到着を待つあいだ、ショップのホームページをひんぱんに見ていたのですが、新作として並んでいる商品のなかにスフェーンのペンダントトップがあり、気になっていました。

リングとのセット品に見えるほど、デザインの親和性が高く、しかも、撮影のためモデルさんが着用したものが、1点限りの特別価格で販売されていたのです。

あー、こうやって沼にはまっていくのかな?と思いながら、購入ボタンを押しました。

ペンダントトップのスフェーンは4mm×5mmと、リングの石よりやや大きかったので、「ファイア」と呼ばれる虹色の輝きを見ることもでき、好奇心が満たされました。

急上昇したスフェーン熱も、徐々に落ち着きそうです。

 

先住リング(左)とスフェーンリング&ペンダントトップ

 

実はこのペンダントトップに関してちょっとした問題が発生したのですが、そのことはまた別の記事に書こうと思います。

 

 

補足:

説明では伝わりにくいスフェーンの「ファイア」ですが、動画がありました。

「宝石大陸」さんというお店の商品紹介動画(21秒)です。

 


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