トイレの掃除をしていて、「あれっ」と思いました。
残り少なくなったトイレットペーパーをホルダーからはずし、新品のとなりに並べて置いたら、明らかに芯のサイズが違う……。
一瞬、お値段すえおきで容量を減らす実質的な値上げかな?と考えましたが、それなら新品のほうの芯が大きくなるはずですし、そもそも、このトイレットペーパーは同じパッケージに入っていたものでした。
試しに積み重ねてみると、芯は同じサイズでした。
「錯視」、目の錯覚という現象だったのです。
錯視といえば、矢印の向きで長さが違って見える、これ↓
「ミュラー・リヤー錯視」というそうです。
(フランツ・カール・ミュラー・リヤー/1857~1916ドイツの心理学者、社会学者)
そこで思い出したのが、私が勤務している会社の名前です。
『エービーシー』のようにカタカナ+長音記号が並んだ名称なのですが、社名(横書き)のゴム印を書類などに押すと、傾いて見えるのです。しかも、右下がりに。
初めは、私が不器用なため、まっすぐ押印できていないせいだと思いました。
けれど、ほかにも同じことを言っている人がいたので、もしかしたら何か錯視的な原因かもしれないと考え直しました。
今回、検索してみてわかったのですが、「ポップル錯視」(文字列傾斜錯視)という現象があるのだそうです。
もともとは図形上で起こる現象として知られていたが、特定の文字を並べただけでも発生するということが確認された…〈中略〉
発生する理由は、並んだそれぞれの文字の横棒(平行線)が段階的にずれているからであり、「杏マナー」では横棒が右に向かって順に低い位置に来ているため、全体が右下がりに見える。文字の並びを逆にすれば逆に右上がりに見える。
(はてなキーワードより)
「杏マナー」「十一月同窓会」などが、例として挙げられることの多い文字列です。
「猫マナー」というのもありました。
1行でもけっこう傾いて見えますが、並べてみるとさらに──、
目の錯覚とわかっていても不思議です。
そこで、会社の名前でも「ポップル錯視」を証明しようと思い、同様に並べてみたのですが、傾きはほとんど感じられませんでした。
……残念です。